第31話 ナガミチの覚悟 下

 その日は、太刀を使った基礎的な訓練を夜遅くまで行った。


 辺りは真っ暗になり、本日の最後の鐘、8の鐘が鳴るころには、充実した指導のせいか、ナガミチは再び体調が悪化して、インシュアに抱えられながら帰途に就いた。


 その翌日、やはりナガミチは前日と同じく気力に満ちた状態で、朝を迎えていた。が、その日からアルベルトとテレニアがこの修行に参加をした。


 午前中は前日の復習をすると、午後はインシュア、そして、アルベルトを交互に相手をする模擬戦を行う。

 模擬戦で出来た傷は、テレニアに治してもらう。

 テレニアはチャ子と一緒に昼寝をしたり、花を摘んで花冠を作ったり、牧場を散歩したりして時間を潰していた。

 陽が落ち、あたりに闇が訪れる頃には帰途に就く。が、やはり、ナガミチは体調が悪化して、インシュアに抱えられながら帰途に就いた。

 アルベルトは、ナガミチを見て思う事があった……。


 そして、3日目。今日に至っていた。


 インシュアがアサトと対峙をしている場面をナガミチが見ている。

 その向こうでは、チャ子が蝶を追いかけて駆けずりまわっていた。


 アサトの相手をインシュアに譲ったアルベルトが、ナガミチの横に座り二人を見る。


 アサトが、インシュアの木刀の餌食になり倒れる。


 アルベルトがその光景をみながら

 「…ナガミチさん…あんた、魔女と取引きしていないか?」と問うと、ナガミチは目を細める、が、少しも動かずに黙って模擬訓練をしている二人を見ている。


 少し間があり、

 「…まぁいい。どんな理由があるにせよ、俺は、俺のやる事をやるだけだ。」と言い、「…あんた、死ぬんだろう…、予定はいつだ。」と続けて言葉にすると、ナガミチは左手首を静かにアルベルトに見せた。

 そこには、幅2ミリほどの黒紫色の怪しい炎が揺らめいている線があり、その線は手首を一周していた。


 「…そうか…、今日明日…ってところか…」と言葉にすると

 「あと4日だ。」とボソっと言葉にした。

 その言葉に、「4日…、魔女に貰った時間か…」とアルベルトが言う。

 「…大丈夫だ、5日目の朝は、俺には来ない。安心しろ…」と模擬訓練をしている2人から視線を外さずに言葉にする

 「…あぁ、それは、楽しみだ。…もし…」と言葉にすると、一つ間を置いて、「あんたが5日目の朝を迎えた時は、俺が、あんたを。」と言葉にした。

 その言葉に、なぜかナガミチは小さく微笑む。


 インシュアの攻撃をまともに頭に食らって、アサトが頭を抱えてうずくまっている、その状況をみていたチャ子が駆け寄っていた。

 ゆっくりとテレニアが近付き、魔法をかけて治癒をしている。

 どうやら大事には至ってないようだ、テレニアは笑いながら二人の先にある牧場の柵へと、チャ子と二人で向かって進み始めた。

 アサトは再び木刀を手にすると、インシュアに向かって対峙している。

 チャ子は何かを見つけたのだろう、一目散に駆けて行ったその先には、放牧していた牛の回収に来ていた牧場主が、二人の模擬戦を見ていた。

 何かを見つけたチャ子がそれを手にして、牧場主に見せて笑っていた。

 その手前で、再びインシュアの木刀を、太ももに食らったアサトが膝間ついていた。

 ゆっくりテレニアが近付いて行き、魔法をかける。

 痛みが回復すると共に、再び立ち上がり、木刀をインシュアに向けて対峙した。

 テレニアは笑みを見せながらその場を離れると同時に、模擬訓練が再開される。

 インシュアの攻撃は、上から木刀を振り下ろす、アサトはかわし、瞬時に攻撃に転じるが、再び、太ももにインシュアの木刀を食らって膝間ついた。

 インシュアが何かをアサトに話している、それを、太ももを擦りながら聞いているアサト。


 そんな光景をみながら。

 「…あれ、本当に強くなるのか?」とアルベルトが言葉にすると

 「…それは、おまえら次第だ。俺には限られた時間しかない。…アル…。」と言いながら、アルベルトを見る。

 「…任せていいか…」と聞くと、アルはナガミチを見る、そして、目が合う。

 その眼はもう夕暮れである時間を考えると、気力が無くなりかけている時間であり、やはり、ナガミチは力のない瞳になっていた。

 アルベルトは無言で、模擬訓練をしている二人に視線を移す。

 ナガミチは、アルベルトの横顔を見て小さく微笑み、ゆっくりと模擬訓練をしている二人に視線を移した。


 西の空が赤くなりかけてきていた、少し風も出て来たようである。

 アルベルトの髪が小さくその風に揺れていた…


 その日の夜。日付が変わる少し前…。


 暗い闇が辺りを埋め尽くす路地に立つアルベルトは、ナガミチの部屋を冷ややかな目で見ていた。


 その部屋では、ベッドの上で四つん這いになった女を、ナガミチが後ろから力強く、イチモツを膣口に入れ子宮の奥へと押し当てていた。

 女は喜びの声を上げる。

 ナガミチは細い腰に手を当て突く。

 その腰の振りに弾かれるように前に動き、そして、ゆっくりと戻ると、また、弾かれるように前に動き、ゆっくりと戻る動きを繰り返した。

 か弱く、そして、魅力的な腰のラインから、イヤらしく張りのある丸みを帯びた尻…、そして、キュッとしまっている肛門をナガミチは見ていた。

 ふいに肛門に右手の人さし指をあてると、女が腰と尻を小さく震わして、悪戯気味の表情で顔を向け、小さく目じりを下げて微笑んだ…「いいのよ…そこもぉ。」と言葉にする…。

 ナガミチは腰を振りながら肛門への愛撫を始めると、大きな吐息と共に大きな喘ぎ声をあげる「…あっぁ、あっぁ…。いいわ…すごくぅ…いいわぁ~…」と…。

 そして…。


 夜明けが近づくころには、アルベルトの姿は無かった…

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