第14話【世界の始まりを君と】


 昼食を終えた僕は、木の枝に掴まって、優しい雲を運ぶ青く澄んだ空を眺めていた。

 遠くや近くで、仲間たちの話す声が聞こえる。ここは穏やかで、心地いい。


 遠くの空から、一羽の鳥が飛んでくるのが見えた。それは空に浮かぶ雲と同じ、綺麗な純白の羽を持っていて、僕は思わず見とれてしまった。

 その鳥は、僕のすぐ近くに止まると、首を傾げて僕を見つめた。


 そうか。

 会いに来てくれたんだね。


 僕は自分の右の翼を伸ばし、その鳥に近付けた。

 真っ白の綺麗な鳥は、左の翼を伸ばして、僕の羽先に触れた。

 柔らかく優しい温もりが、胸の辺りに満ちる。


「やあ、また会ったね」


 白い鳥は軽やかな声で、楽しそうにそう囀った。

 君はいつも、僕の心を明るくしてくれる。


「やあ、また会ったね」


 僕もそう返すと、君はその白い翼を畳み、トントンとジャンプして僕のすぐ横に寄り添って目を閉じた。

 僕は広げていた水色の翼で、君を優しく抱きしめるように包み込んだ。


 それは、果てしなく青い空と、そこに浮かぶ白い雲のように見えた。

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世界の終わりを君と 青海野 灰 @blueseafield

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