嘘をつく人は、どんどん嘘を重ねていく。自分自身が誰よりそれを知っているから、自分がどんどん嫌いになる。そして、結局は相手を傷つけ……この作品では、彼女が不幸に見舞われてしまう。小さな嘘から真実にしていく、という部分は、嘘の有効な使い方のような気がして、なるほどなぁと思いました。嘘をついても努力して「嘘じゃない状態」にしていけば、精進できるというのは一理あるなと。この作品では、彼女の手紙の中で「誠実であろうとする貴方」というところに、主人公の頑な心が解されたように感じました。