超人間X号 海野十三

 青年探偵・帆村壮六の作者で知られる海野十三のSF小説です。

 この作品だけでも充分楽しめますが、メアリー・シェリーの「フランケンシュタイン」を読んでから当作品を読むと、両作品の発明者が生み出した生命体に、相似する部分があることに気が付きます。

 高圧電流で生命体としての命を吹き込こまれたこと、高い知力を備えていること、発明者に自分のパートナーを作り出すように要望すること、などが目立って相似している部分だと思います。

 もしこの作品が「フランケンシュタイン」のオマージュだとしたら、作者は当時の文豪と同じく海外ゴシック小説を好んで読んでいたのかもしれません。

 自分はこの作品を初めて読んだとき、一警部がX号によって娘の身体に換えさせられた前後のシーンで、奇異にも電車内で噴き出してしまいました。

 

 

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