第154話 好み♡
「せーので答えようね、はい。せーのー! リョウキ!」
「リョウキ(小声)なんで分かったの?!」
一ヶ月ぶりに遊びにきた娘にYouTubeを見てもらった。
ボーイズグループのオーディションでデビューが決まった七人。
「お母さんね、もう感動しちゃって、もう号泣しちゃって」
オーディション番組の経緯を説明するも語彙力ないデバネズミ。
「この子の声いいでしょ? この子はダンス世界一なの!
聞いて、これプレデビュー曲なんだよ。絶対に売れると思うの」
「ふーん、あんま興味ないから。まっ、推しだけでも決めるね」
一ヶ月ぶりに会った母親の興奮を抑えようとしてくれる娘。
⭐︎ ☆⭐︎☆
「どうしてピンクじゃないの! なんで青い方がいいの?」
幼稚園の時、手作り通園バッグに青い生地を選んだ娘。
首を傾げながら、ミシンで縫うデバネズミ。
青い方がカッコいいって言うから仕方ない。
「どうしてミニーちゃんじゃないの! グーフィー?」
「なんでこの真ん中の子じゃないの! 紫の子?」
幼い頃から好みのキャラクターが私とは違う。
メインが好きなデバネズミ。
(きっとこの男子を好きになる)予言。
高校生時代のクラス写真。
娘の好みを当てられるようになった。
⭐︎ ☆ ⭐︎ ☆
「やっぱりね。好みが分かるよ! 何年母親やってると思ってるの」
ドヤ顔するデバネズミ。
「お母さん、あんまり自分の好み押し付けない方がいいよ!」
ガビーン! 昭和の落ち込み。反省デバネズミ。
いいんだ、今日も一人で見まくるから。私も貢献。
㊗️BE:FIRST プレデビュー曲1000万回再生㊗️
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