第149話 適応能力

月曜日から首痛安静夫だんなの介護が始まった。

シャンプーして身体洗って、拭いてあげる。


繁忙期で残業続きの時はキツい。


「昨日の売り上げは全店で九百万円ありました。

前日は七百二十万円です。

みんな頑張って残業してくれたおかげです。お疲れ様です」


常務の労いの言葉をスルーするデバネズミ。興味無し。

去年は一人店舗でお気楽ご気楽。しかも三時間パート。

今年は六時間パート。老体に鞭? いやまだ五十代だ。


コロナ禍で仕事があるだけでもありがたい。感謝。

給料も三割増しだ。本当にありがたい。感謝。


忙しすぎて、夫が寝付いてから「ヨム」

休みの日にまとめて「ヨム」

寝落ちしそう。コメントが書けない。

読みたいのに読めない。

書きたいのに書けない。


プチストレス。夜中に何度も目が覚める。

夫が痛くて呻いている? 気のせい、気のせい。

あら、私、今日のコメント返信したかしら?

確認。ちゃんとお返事しています。安心して寝る。


環境の変化でプチストレスになり、不眠症気味だ。

適応障害のワードが頭の中を駆け巡る。


ん? 大丈夫。仕事は忙しい方が好き。やりがいがある。

カクヨム作品も逃げていかない。返信忘れてもみんな寛大。


人生で一番、環境変化した瞬間も乗り越えてきた。


それは、受精して胎児になって、プカプカ浮いて

子宮からこの世に出た瞬間だ。ちゃんと適応した。

だから、今、生きてるんだね、私。

適応能力あるじゃん、私。


プチストレスがなくなるデバネズミ。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る