第122話 平常心

「……お腹痛いの?吐き気するの?大丈夫?」

「……ビックリした。大丈夫だよ。目が覚めちゃって」


いつもより早起きした娘。休みの日はお昼頃まで寝ているのに

どうしたのか心配になるデバネズミ。


「今日ゴミの日でしょ、捨ててくるね。……今日何する?」

朝からテンション高い娘。ゴミ出しありがとう。

理由を聞けば5月6日までずっと休みになったという。

レストランですもの仕方ないね。

「今月給料半分になっちゃうよう。補償ないし、どうしよう」


「お母さんも時短営業でいつもより、1万5千円少ないよ。けど

そのお金で安心を買ったと思えばいいのよ」


不安は怒りを生み、怒りで身体を壊す。

そうならない為に平常心を保ちましょう。

正確な知識を取り入れ、身を守る習慣を保ちましょう。

夫と娘と話し合うデバネズミ。


テレビでニュースを見る。

人が集まらないよう刈り取られるチューリップが悲しい。

沖縄ではマスク無料配布したおじさんが怒鳴られて、泣いている。

善意が報われず……心が痛いデバネズミ。


世界中が不安で苛立ち、明日が見えない。

マスクだけじゃない、希望が欲しい。


「人が少ない公園で散歩しよう。その後、折り紙しょう」

娘が5歳の頃した遊びを提案する。


太陽と風を感じ、クローバーとタンポポ、てんとう虫を愛でる。

変わらないものを感じる事が、平常心を保つコツだ。

家族三人で過ごす時間が愛おしい。


敵をコロナに切り替えたのか、更年期の症状が軽くなる。


こんな状況でもいい事もあるのだと感謝感謝のデバネズミ。

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