第120話 Skype
『こんにちは、○○さん、△△さんがSkypeで
あなたとお話ししたがっています。
通話やチャットは無料です!』
Androidのタブレットにメール着信。友達からだ。
Skypeですと!何?それ美味しいの?
いえ、知っておりますとも。
夕方から3時間パートの主婦デバネズミには
要らないアイテム。
寂しいよね。会いたいよね。
一週間に一度野菜を下さり、たまにランチ
をする友達の誘いに迷うデバネズミ。
Skypeですよ。いくら仲良しのお友達でも
顔整えて着替えて、部屋片付けて
お互いのシミとシワの確認をしながら
生活の不安を話すのは気分が乗らない。
煎餅バリバリ、お茶啜りながらがいい。
『早く会いたいですね、淋しいです。
残念ながらこの端末ではSkype出来ません。
iPadなら出来ると思うのですが……。
私、疎くて……メールでお話しましょう』
Skype繋がりを優しく断るデバネズミ。
ふと、昔の事を懐かしむ。
友達との交友は手紙が主流だった。
便箋三枚くらいに近況書いて送る。
返事が来るまでワクワクドキドキ。
失恋報告あれば直ぐに電話をした。
受話器の向こう側の涙声。
じっくり話を聞いてからの慰め。
繋がりがじっくりゆっくりの時代から、
Skype速効繋がりの便利な世の中に変わる。
毎日増える感染者。軽症者は自宅待機。
コロナウイルスにかかりませんように!
Skypeで生存確認する日が来ませんように!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます