第119話 コロナ心のゾーン

「お母さん、花買って。‥‥チューリップとバラと何にしようかな」

ドラッグストアーの入り口で三本298円の花を選ぶ娘。

「……早くして。先に買い物してるよ!後でお金払う時に渡して」

店内を持って回るより、少しでも水につけておいた方がいい。

花より必要な食料品をカゴに入れたいデバネズミ。


「‥‥もうあのチューリップがなかった。誰かに買われたみたい」

レジで並ぶ私に娘の落ち込む声が聞こえてくる。

後回しにした事を反省するデバネズミ。

コロナ、コロナでゆとりがない。

トイレットペーパー、冷凍食品を少しでも安く、多く買いたい。


そんな自分を戒めながら、ニュースで見た小学生の寄せ書きを思い出す。

『ウイルスと戦うのは辛いですね。負けないように頑張って下さい!』

『私たちはみんなの味方です』

クルーズ船の感染者を受け入れた病院職員に、励ましの寄せ書き。

病院のすぐ近くの学校なのに、不安を乗り越えてエールを送る子供達。

なんて優しいいい子達なのかしら?どうしたらそんな事が出来るの?


コロナウイルスに対してどんな自分でありたいか?の資料で熟考。


恐れのゾーン 

*特に必要のない食料やトイレットペーパーを買いに走る。

*恐れや怒りの感情を周囲に発散し、頻繁に不平不満を言う。

*情報やメッセージを全部拡散する。


学びのゾーン

*状況を自覚してどう行動するべきかを考える。

*コントロール出来ない事は、手放そうと思いはじめる。

*デマ情報を拡散する前に、本当に正しいか評価する。


成長のゾーン

*他の人の事を考え、彼らを助ける方法に目を向ける。

*他の人に共感し感謝の気持ちを持つ。

*新しい変化に適応するための道を探す。


まだ恐れゾーンにいるデバネズミ。成長しなくてはいけない。


「チューリップ残念だったね。今から買いに行こうね」




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