第116話 好奇心

「すごく面白い動画があるんだけど見て!」

「……やだ、お母さんの好み押し付けないで!」

娘に断られた。めげずに説明するデバネズミ。


「あのね、コーラとメントス入れるとね、魚が出てくるんだよ!」

「……はっ?意味分かんない。もうそういうのやめてくれる(怒)」


支離滅裂の説明でイラッとしたのか、スマホを手に取る娘。


「えっと、ね。何これキモっ」


何処の国か分からないが、泥んこの穴にコーラをドボドボ入れている。

そのあと、あの丸いメントスを穴に入れる。

待つこと十数秒、魚が穴から出てくる。次から次へと。

手掴みで一匹ずつ取り……面白くて仕方ない。


「お母さんもこれやりたい!コーラとメントスで二酸化炭素を作るでしょ。

 苦しくなった魚が酸素求めて顔を出すんだって!」

「……ふーん、てかまずそうな魚だね。……もういいかな?見てると

 気持ち悪くなるんだけど!」

「ダメダメ、ナマズみたいなのも出てくるんだから。それ見てよ」


部屋から追い出されるデバネズミ。娘興味無し。


好奇心旺盛なお年頃。今度は夫を捕まえて蓑虫を見せる。

「ねえ、これ出したいんだけど。丸裸にしてね、

細かくちぎった折り紙で蓑を作る所見たいんだけど!

綺麗だと思うんだ。やりたいな」


「かわいそうでしょ!暖かい所に戻しなさい!」

怒られた。夫と娘がいたら好奇心が満たせない。

残念なデバネズミ。

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