第99話 カスハラ

「あなたですかっ?」

 受話器の向こう側で女性が怒鳴る。

 朝にかけて留守、昼にかけても留守。

 夕方、引き継ぎで電話をしたデバネズミ。

 

「朝も昼もかけてきましたよね、(怒)

 一人暮らしの部屋に電話がなる恐怖を

 あなたは分からないんですか?

 あなたはですか(怒)」


 10コールで留守電になるらしいが、朝も昼も

 八回くらいで切られてしまったとの事。

 その女性は留守電に入る声を確認して

 電話に出るらしい。

 

 一人暮らしの部屋に電話が鳴り響く恐怖?

 すいやせん、分かりやせん。むしろ

 居たなら出てくださいよ!と逆ギレ寸前

 デバネズミ。言葉が出るのを押さえる。


「袋に入れてください」「20円頂きますが」

「あんた、何様?」あのお客様だと気がついた

 時すでに遅し。電話口でお小言が止まらない。

 

 彼女はクレーマーではない。

 今話題のカスハラだ。

 割引券を出すのを忘れた。差額を家に届けろ。

 退院したばかりで、気分が悪い。怒らせるな。


 度を越した要求をし、土下座謝罪を強要する

 カスタマーハラスメント。

 お客様は神様です!の意味をはき違え

 多額の賠償金を請求する例もあるらしい。

 担当者が精神的に追い詰められる事もある。

 

 接客業にクレーマーはつきもので

 慣れているはずだったが、正直凹む。

 全く予期しない言葉の羅列に頭が混乱する。


 そんな時にはカクヨムで見つけた

 接客術のバイブルに頼るデバネズミ。


 『人間嫌いのウェイターですが、

  何かご不満でも        橘遊様』


 主に飲食業についての接客術が論理的に

 書いてあって、納得しながらヨムヨムする。


 五感を駆使してその先に見えてくる出来事を

 想像していち早く準備すること。

 

 経験を起因とする「記憶」、そこから学習

 した「思考」や「判断」を「意志」として

 脳に機能させて行動に移す。智動という。


 接客術にとっての第六感とは「経験」から 

 学んだものによる「想像力」だ!


 どの言葉にも説得力があって、素直に

 当てはめたくなる接客術のオンパレード。


「不必要な会話」と「必要な会話」についての

 考察は、夫婦円満になるための知恵袋でもある。

 この作品との出会いに感謝して

 今日も楽しく仕事に行くデバネズミ。

 接客業に携わる方に特にオススメします。

 

 ただ、私は人間が好き。だから失敗する。

 まだまだ未熟なデバネズミ。

 

 


 


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る