第81話 子供目線

「おうちに帰って、ちゃんとお風呂に入る?

 入るんだったら、買ってあげる」

 まだ2才位の子に、お母さんが切々と語る。

 目の前にはガチャガチャがある。

 泣きながら、欲しいガチャガチャを指差す。

 小さくて細くて、折れそうな人指し指。


 クリーニング店からよく見える位置に

 30台ほどのガチャガチャがある。

 子供たちと、親の攻防戦。説教、泣き声。


「また今度ね。さっき、おやつ買ったでしょ」

「ひとつ300円は高いからダメ。買わない!」

「わがまま言わないの。昨日も買ったでしょ」


 若いお母さんは、少しヒステリックだ。

 おばあちゃんは諭すように優しく言う。


 どこにでもあるガチャガチャ。

 100円の台を探す方が大変だ。

 200円は当たり前。500円のものもある。


「お願いだからぁ、買って。欲しいよ~」

 泣く。泣きわめく。地団駄を踏む。寝転がる。


 子供の要求も様々で、人間観察デバネズミ。

 子育て世代に応援!子供の涙にもらい泣き。

 

 子供目線の位置にある。姑息な誘惑。

 10円、30円のガチャガチャあってもいいのに!

 子供はお金を入れて回すのが楽しいのだから。


 自分でお小遣いを貯めてやっと300円に挑戦。

 そんな時代は終わったんですね。

 

 おまけのカード欲しさにチョコレートは

 捨ててしまう時代もありました。


 昭和を懐かしみ、平成を嘆き

 令和を危惧するデバネズミ。

 

 

 


 

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