第29話 ゆとり世代

「……アッハーン?」

「……えっ?お昼何食べてくって聞いたの」

一か月ぶりに娘と再会した時の会話だ。

名古屋や東京、大阪なら方言だろうが、

海外に1か月だった。ずっと英語漬け。

奮発して美味しい日本のお寿司を食べる。

「またお金貯めて、違う国に行くね」

「お願いだから、今度は一人で行かないでね。

あともう少し治安のいい国にして」

懇願するデバネズミ。初めてライフル見た!

とかマリファナの臭い嗅いだ!とか

娘の報告にガクブルのデバネズミ。

やりたい事をやりたい時にやる!

これはデバネズミの遺伝子ではなく、

ゆとり世代の賜物か?正社員よりバイト。

元気で生きていたらそれでいい。


「カエルって昆虫の仲間なの?」

「えっ、カエルは両生類だよ!」

「何それ?……あぁ、進化論てやつ?」

ゆとり世代は進化論を深く学んでないらしい。

「魚類、両生類、爬虫類、鳥類、ほ乳類」

「なんか聞いたことある。だからかぁ、

カエルって昆虫のわりにやわらかいなと

思ってた」マジですか?今、知ったんですか?

違う意味でガクブルのデバネズミ。

台形の面積は学ばなくてもいいけど、

大人になって必要な知識は教えて欲しい。

生クリームの七分立ても、読んで字の如く

七分間タイマーとにらめっこするらしい。

ゆとり教育恐るべし。


結婚生活ではなく、結婚式に憧れる娘。

教会で聖書にちなんだ結婚の誓いを聞くと、

[何で神様に誓うの?]と質問する。

[神がくびきで結んだものを、人がはなしては

ならないって書いてあるから。]

[……ふぅーん、簡単に離婚出来ないね。]

[そうね。][じゃあ、私はくばかない。]

[えっ?] [だから、私はくばかないの。]


くびきは、名詞です!5段活用は無理です!


ゆとり世代は面白い。楽しい幸年期になる。

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