第13話 自分にして欲しいこと事

夫が帰宅。マシンガントークを始める。

夫は聞く人、私話す人。

作業服を脱ぎ、部屋着に着替える間、ずっと

話す。同じ話を何度もするデバネズミ。

結婚して24年目。もう慣れっこの夫。


「今日、友達にお米10キロ貰ったの。

取りに行ったんだけど、連絡つかない友達

の分も預かったの。精米もしてきたの」

夫はふんふんと聞いてくれる。


「でね、後で考えた。自分の家の分は精米

してもいいけど、預かった友達の分はその

ままの方がよかったのかな?」

 精米しない方が長くもつだろうし、まだ家に

在庫のお米があるかもしれない。

でもそのお宅はアパートの2階。

年配なので10キロのお米を精米しに行くのも大変だろう。

どっちが親切なんだろう?


こんな話ばかりするデバネズミ。

悩みは尽きない。仕事のクリーニング店で

検品すると、旦那さんの背広のポケット

から色々な物を発見する。

クリーニングを出すのも、引き取りも奥さん

だから悩む。考える。

名刺、しかも飲み屋のお姉ちゃんの連絡先が書いてある。

知らないふりしてごみ箱かな?


「 迷ったら、自分ならどうして欲しいか考え

ればいいんじゃないかな」

正解は一人一人違う。その人の為に考える事

がもうすでに、大切な事、愛ある事だ。

夫は誠実だ。さすがだなと感心する。


「あぁ、お腹空いた」

腹ペコの夫の事を考えずに、話をする私。

まだまだ修行中のデバネズミ。


自分の事より、他人の事も考えられるように

なれば幸年期を楽しめる。



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