輝夜姫

むかしむかしあるところに

大層綺麗な姫がおりました

姫は竹の中から現れて

そしてある日月に帰ってしまったと


僕は知ってる

その姫は

別に帰ったわけじゃない

月に帰ったわけじゃない


僕は知ってる

その姫は

ある夜連れていかれたの

月に連れていかれたの


月の見えない夜には帰ってくるよ

だから必ず待っていてね

もしかしてこれって重いかな

君がよく言う言葉だね

知っていたのですか

いつかは別れるそのことを


闇夜に紛れてこっそりと

彼女が帰ってきたのです

月から逃れ

僕のところへ


僕を置いていった輝夜姫

帰ってきた君を僕が返すわけがない

僕は小さな声で君にささやく

僕たちは、、、

いつまでも幸せに暮らしました。




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