2 俺の国
「魔王討伐、心より感謝する」
「「「はっ!」」」
俺たちが今いるのは王宮。
俺たちのいるリベラートレ王国は絶対王政だ。王の下に王立魔法団と騎士団のトップ、その下に続く。
政治を行うのは基本王で、たまに3人いる宰相や神殿にいる神官なども頼るらしいが。
そのためこの国で王に反逆するのは重罪で、100年ほど前の革命では首謀者と少しでも関わったことのある者や、親戚や親類は五親等まで虐殺、九親等まで島流しというかなり重い刑罰を受けたという。
話はそれたが、つまり、そんな王様直々に感謝されるのは、よっぽどのことがあった場合だけなのだ。
相当すごいことを成し遂げた場合だけ。
よっぽど嬉しいのか、ラルフはアホ丸出しで目をキラキラと輝かせて胸を張っている。隣のレイナも同様だ。
リオンは呆れたようにそんな2人を見つめている。
その横に視線をずらし、びくっと肩が跳ねた。
俺たちのパーティはバランスがいい。剣を操るレイナとラルフ。傷を癒す聖女のリオン。学問に長けた賢者の俺。そして魔法を操る錬金術師のリーディエ。
レイナは獣人で、狼の尻尾と耳が生えており、性格も獣のようだ。明るく、快活で単純。
ラルフは人間なはずだが、レイナとほぼ変わらない。本能に忠実なほぼ獣だ。パーティのアホ担当はレイナとラルフだ。
リオンは貴族の血が入っていて、先祖には精霊や妖精がいるという、神秘的な雰囲気さえある美少女。性格も優しくてしっかりしたいい子だ。
そして俺。俺は人間だが、ドワーフに育てられた。ドワーフというのは長寿で頭がたいへんいいとされる魔物で、ドワーフの薬は高く売れるという。そのぶん滅多にドワーフは人里に現れないらしいが。
俺はドワーフに育てられたからか、普通の人間よりも記憶力もいいし、薬の配合だってお手の物。俺の育て親であるドワーフは優しいながらも厳格な最高の親だ。
そしてリーディエ。
リーディエは男だ。一応…。
色が白くて髪が茶色く、人間とエルフのハーフエルフ。
エルフ特有のとんがった耳にくるくるの巻き毛。
サファイアブルーの瞳はタレ目で長い睫毛が縁取っている。
肌は陶器のように白くてすべすべで、つまり、そこら辺の女の子よりかは全然美しい、中性的な美少年なのだ。
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