亜美の場合

 亜美は小学生になった。


 小学生になると遊んでばかりはいられない。授業は退屈で宿題もあるし、優しかったお母さんも成績が悪いと叱るようになった。


 小学4年生の頃、初めて同じクラスになった榎本くんが受験塾に通っていることを知った。

 夏休み前に渡された彼の通知表を見せてもらった時、“A”ばかりが並んでいて驚いた。

 友梨の通知表には“B”ばかり。


 亜美は榎本くんに嫉妬した。


 成績が良ければお母さんに褒められる、優しくしてもらえる、そう思ったからだ。


 成績を上げたい。と亜美が言うと、榎本くんは快く勉強を見てくれた。塾のない日は図書室で一緒に勉強をした。


 それからすぐに成績は上がった。


 塾の宿題は想像以上に沢山あって大変だったが今の頭脳を持ってすれば、スラスラと答えられた。


 やはり榎本くんは凄い。


 そして、難関校と言われる私立中学校へ上位成績を収め、合格した。

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