第35話 ステータス強化

「う~んっ……今日はいっその事、ステータスの強化だけを行おうかな」



レアはソファに座り込みながら一週間分の食糧と飲料水を確保している以上、無暗に動き回る必要はない事に気付く。今日扱える文字数分だけの文字変換の能力を利用してステータスの強化を行い、明日以降から本格的に活動する事を考える。彼はステータス画面を開き、現状の能力を確認すると真っ先に目に付いたのは自分の扱う付与魔法の熟練度だった。



「この際に雷属性以外の付与魔法も限界まで熟練度を強化させるか……特に問題はなさそうだし」



レベルと違い、熟練度を上昇させた場合は特に肉体に異変は起きない事は確認済みであり、レアは今日の分の文字数を利用して各属性の熟練度を限界まで高める。



―――――――――――――


戦技



付与魔術師(専用スキル)


・火属性 熟練度:9


・風属性 熟練度:9


・氷属性 熟練度:9


・雷属性 熟練度:9


・土属性 熟練度:9


・闇属性 熟練度:9


・聖属性 熟練度:9



―――――――――――――



文字変換を終えるとレアは今日の分の文字数を使い切り、明日を迎えるまでは今日は文字変換は使用できないが、この場所が安全地帯であれば特に問題はない。逆に言えばもしも能力が使えないときに魔物に襲われた場合は非常に不味い事態に陥るが、彼自身もレベルを上昇して強くなっており、聖剣の扱い方も慣れ始めている。



「聖剣は凄いけど、俺自身のレベルが低すぎて本当の力を解放できないのがな……だけど回復薬も無い状態で迂闊に動くのは避けないとな」



ソファから起き上がり、レアは自分のレベルを確認するとSPが増えている事に気付き、レベルが上昇した事でSPが増加している事に気付いて彼は新しいスキルを覚えるべきか悩む。



「SPは21か……偶然だけど、レベルと同じ量になったな」



後々に文字変換の能力を利用する事を考えて最低でもSPは10は残して置きたい所であり、色々と考えた末にレアは新しい攻撃法を覚えるため、適当なスキルを探し出す。



「ん?何だこれ……連撃?攻撃回数を増やすスキルか……」



固有スキルの中に攻撃回数を増加させるスキルを発見し、こちらのスキルは熟練度に応じて攻撃回数が増加する事を知り、役立ちそうなスキルなので覚えようとしたが使用条件が存在する事に気付く。



「あ、でも攻撃力が半分に下がるのか……」



このスキルを習得すると現時点の攻撃力が下がる事に気付き、しかもこちらのスキルは解除が不可能だと判明し、連撃のスキルを使用しない状態でも攻撃力が低下する事に気付く。



「半分はきついな……それに覚えても熟練度が1の状態だと攻撃回数は1みたいだし、どうしよう……」



攻撃回数が増加するという単語が気にかかり、攻撃力が強制的に低下する条件にレアは思い悩み、色々と考えた末に彼は習得を行う。



「よし、覚えておくか。もしかしたら明日になったら何とかなるかもしれないし……」



使用条件の項目に視線を向け、レアは覚悟を決めて習得すると説明文に視線を向ける。



『連撃――攻撃力が半分に低下し、熟練度に応じて攻撃使用回数が増加  熟練度:1』

「うっ……!?なんか、急に体がだるくなったような……」



説明文を確認したレアは唐突に身体が重くなったような感覚が広がり、スキルの影響で攻撃力(筋力)が半分にまで低下した影響ではないかと考えながら座り込み、大きな溜息を吐き出す。



「明日は弁当でも作って遠出するか……道に迷わないようにマッピングする必要もあるし、簡単な地図でも用意するか」



大迷宮を本格的に探索するため、家の中でも生き残る手段を確保するためにレアは明日の準備を行う――






――翌日の朝、二階のベッドから起きたレアは窓の外に見える光景を確認し、スケルトンの姿が見えない事を確認した彼は1階に移動を行う。既に遠出するための準備はアイテムボックスに回収しており、洗面所で顔を洗い、冷蔵庫に入っていた食材で簡単な朝食を取ると、彼は出かける前に文字変換の能力を発動させて昨日の内に覚えたスキルを確認する。



「上手く行けよ……とうっ!!」



ステータス画面の固有スキルの項目に存在する「連撃」の説明文に彼は指先を向け、説明文の文字を「5文字」変更させる。



『連撃――攻撃力が大幅に上昇し、熟練度に応じて攻撃使用回数が増加  熟練度:5(限界値)』

「……どうだ!?」



今回はスキル名ではなく、説明文の文字変換を行うとレアは『文字の加護』の項目に条件が増えていない事を確認し、安堵の息を吐く。あくまでも文字変換の使用条件が増えるのは文字の加護に表示されている条件を変更させる行為を行った時だけであり、スキルの名前ではなく説明文を変化させても問題ない事を確かめられた。



「ふうっ……これ以上に厄介な条件が増えなくてよかった。それに一気に身体も楽になったな」



レアスキルの説明文の「半分」という文字を「大幅」そして「低下」という文字を「上昇」最後に熟練度の数値を「1」から「5」に変換させたが、特に何も起きない事に安心する。それどころか昨日から感じていた身体の重みがなくなり、自由に身体を動かせる事に気付く。この事で説明文を変更させた影響が出ている事を確信し、大迷宮の探索を再開する事を決めた。





※自分でも書いていて本当にレアこいつは何でもありだなと最近思い始めています。

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