インタビュー語録②


     インタビュー語録 ②


「俺たちはただ、いい作品を作るだけだ。ライブのことは、考えていない。この作品は、外で楽しむことを考えて作っている。ライブで楽しむのとは、別の作品だ」

「俺たちの真似をしたバンドが増えているのは事実だ。大いに結構だね。もっと増えてもいいと思っている」

「俺たちの勢いは止まらない。アイディアは、溢れて止めることが出来ない。スタジオに入る度に新しい曲が生まれる」

「ノーウェア・マンは最高だな。東の果ての島からやってきたとは思えないね。他にもいいバンドが大勢出てきたけど、ノーウェア・マンは特別だ。脅威に感じるほどだ」

「そろそろ時期だと思っている。観客たちは、ライブの楽しみ方を覚えてきたようだ。ノーウェア・マンのおかげだな。あんなに興奮するライブを見るのは、初めてだったよ」

「いい作品を作るのは、簡単だ。俺たちがスタジオに入って、歌えばいいだけだ」

「ディランの歌詞には、少しの影響を受けている。彼の言葉には、力があるんだ。彼の思考が、羨ましい」

「いい刺激になったよ。ノーウェア・マンが遂にやってくれた。俺たちも負けてはられない。そろそろ以前から考えていた作品に取りかかる時が来たようだ」

「この作品は、デビュー以上の衝撃だろうな。俺たちはまた、歴史を創る」

「説明なんて必要ない。音楽は、耳で聴いて、心で感じ、身体を踊らせるものだろ?」

「どう解釈してもらっても構わない。好きなように楽しむのが音楽だろ?」

「これを手土産にツアーに出る。大変な騒ぎになるだろうな」

「俺たちはいつだってライブバンドだ。作品に専念していたのは、俺たちが真のライブバンドだからだよ。キャーキャー騒ぐだけの連中の前で歌うのは、うんざりだ」

「実験の時間は終了した。俺たちの音楽は、完成された。これからはライブをメインに作品作りを続ける。俺たちは、いつまでも転がり続けていくんだ」

「頭がおかしくなりそうだ」

「俺たちは別に、ビートルズやローリング・ストーンズになりたいわけじゃない。影響は受けてきた。特にビートルズからは音楽そのものを教わった。ローリング・ストーンズからは、その生き様を学んだよ。けれど決して、その人生をなぞるつもりはない。名前が似ているだとか、誕生日が一緒だとか、そんなのは偶然だろ? そもそもその資料だって、あてにならないんだ。千年も前の話だろ? とっくにその文明は滅んでいる。これを運命だなんていわないでほしい。確かに俺たちはビートルズやローリング・ストーンズの遺志を継いでいるのかもしれない。けれど今、人が死んだ。俺たちにとっては、大切な存在だったんだ」

「哀しい事件を忘れることはしない。けれど、忘れたいと思うことはある。俺は全てを受け入れられるほど、強くはない」

「ライブを続けた理由は簡単だ。それが死んでしまったあいつへの恩返しでもあり、あいつの意志でもあると感じたからだ。俺が今生きているのは、あいつがいたからだ」

「音楽をするのに、ライバルなんて言葉は意味がない。お互いに競い合っているのは、よりよい作品を作ることだけだ」

「刺激があるから、成長をする。それは当然のことだ」

「作品を買ってくれる連中には感謝をしている。俺たちが生活できているのは、そんな連中のおかげだ。けれど連中も、俺たちに感謝をしている。俺たちは、それだけの作品を提供しているんだ」

「俺は絶対に、ライブでありがとうという言葉は言わない。会場に来てくれたことは嬉しく感じている。けれど、ライブでの俺たちを見て、連中が俺たちにありがとうと言う。それが俺たちの仕事だ」


「キースの歌は、素晴らしい。ライブで歌わないのはもったいないと感じている。俺はやっぱり、ライブが好きだ」

「作品の出来には満足している。俺が曲作りをしているんだ。当然だろ?」

「俺は実験のつもりはない。ライブでは出来ないとキースは言っているけど、やってやれないことはないと思っている。ただ、俺もこの作品は家で聴いていたい」

「作品作りに飽きることはないな。けれどやっぱり、ライブが恋しい。俺たちが大人しくしている間に、多くのバンドが世に出ている。クソみたいなバンドも多いが、中にはいいバンドもいるな。俺はよくライブに足を運んでいるんだ。若い連中のライブは、刺激的だな」

「歴史を変える力を持った作品が生まれた。それは確かだな。けれどまだ、終わりじゃない。これで満足なんて出来ない」

「ようやく実家に帰った気分だよ。楽しいライブになりそうだ」

「これからはもっと楽しい作品が生まれるだろうな。俺としては、ライブ作品なんてのも考えている」

「こういう事件が待っているとは、予想出来なかった。これからいったいどうすればいい?」

「ライブをしていても、なにも感じない。こんな感覚は、初めてだ」

「俺は一時、本気で辞めてしまおうかと考えた。そうすれば楽になれる」

「不思議なものだな。ライブを重ねていくと、楽しさが蘇る」

「俺はキースと一緒にいるのが楽しい。それだけなんだよ」


「僕はどうでもいいと思っている。ライブをするのもしないのも、自由だ」

「僕は正直、今のバンドには不満を感じている。いい作品を生み出してはいるけど、僕の趣味とはズレている。僕にはミックのようなギターが弾けない」

「最高の作品ではあるけれど、僕はほとんど参加していないんだ。ほとんどのギターはミックが弾いている。中にはキースが弾いている曲もあるくらいだ」

「やっぱり、ライブをするのは嬉しいね」

「この現実は、意味がわからない」

「僕の影が薄くなるのを感じているよ。僕はバンドをここまで大きくするつもりはなかった。キースたちと楽しくしていればそれでよかった。プレッシャーに耐えるのは、大変だ」

「キースとミックは、素晴らしすぎるんだ。俺なんかがいなくても、バンドは成り立つ。ファンのみんなもそう感じているんだろ?」


「俺はキースに惚れている。キースの行動についていくだけだよ」

「俺だって作品には貢献している。俺のベースは、最高だろ?」

「事件が起きることは、誰にだって想像できなかった。俺たちは、大事な仲間を亡くしている。死んでしまったけれど、俺は犯人を許さない」

「それでも時代は流れていく。俺は流れるままにしか生きていけない」

「俺たちは今、バンドとして頂点にいるのかもしれないな」

「なにをしていても、完璧なんだ。こんな感覚は、珍しい。俺は全てのべースを、アドリブで演奏している」


「僕はいつでも冷静にドラムを叩いている。それが僕の人生なんだ」

「作品の善し悪しには興味がないよ。僕はキースの背中でドラムを叩くのが好きなだけだ。つまらない音楽だとしても、喜んで叩き続けるよ」

「僕の代わり? それは確かに難しいだろうね。僕だけじゃないよ。五人のメンバー、誰一人として代わりを見つけることは難しい」

「死んでしまった者は、どうにもならない。残念だけど、これが現実だよ」

「彼の変わりは、難しいだろうね。彼は音楽をよく知っていた」

「キースが決めたことだ。逆らう理由はないね」

「このままずっと続くなんては思わない。けれど僕は、それを望んでいる」

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