通る道

 とりあえず、自分たちの食事は終わらせた。

 今いるメンバーは自分を含め四人。残りの一人であるセカンはメディカルルームでいつもの検査を受けている。

 お腹をすかせて帰ってくる成長期のチームメートのために、サンドウィッチでも買っといてやろうと言い出したのは誰だったか。


「ねえ、この『タバスコサンド』ってどうかなあ」

「甘いよシュリさん、この『ハバネロサンド』は……とてもオレの口からはいえない味で……」

「食べたことあるの? ラット」

「新人の頃に」

「フルーツサンドは? 注文すればパンをシロップでヒタヒタにしてくれるわよ」

「……トーカそれ食ったことあんの?」

「新人の頃にね」

「面倒だから『タバスコ』と『ハバネロ』と『フルーツ』を頼んじゃう?」


 メニューを前にああだこうだ言っていた三人は、ふと気づいてこちらを振り返る。


「隊長はどれがいいと思いますか?」



「まともなのにしてやれ」

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