8. 発狂した精神によって記述されたもの

 ロメオ・ネグリへの激しい憎悪に応答するものとして、ジョージ・サンダンスが選んだ手段は呪いだった。とはいえもちろん、彼の生きる時代では、既に呪いは歴史的には、前時代の思い出になっていた。彼が文化を由来する共和国さえ百年かそこらの歴史しかもたず、またそれは建国当時からすでにかなり脱魔術的な世界観を形成していたわけであって、そんな国に生まれたジョージが、なぜ呪いなどという古めかしいく胡散臭いものに手を伸ばしたのか。それを知るものはいない。ただ彼が個人を恨む、その悪魔的な感情を実現させる方法として、呪いという言葉そのものがまさしくぴったり、合致したのかもしれない。

 彼は手当たり次第に文献を漁った。子供や暇人が読むようなペーパーバックから、学術的とされる研究にまで当たった。だがそれらの多くは、ジョージが望むような呪いの実用性を示してくれるものではなかった。彼は早い段階で書物に頼ろうとするのを止めた。表には出てこないものにこそ自分の求めるものがあるのではないかと、考え始めたのである。彼の邪悪な願望がそうであるように、本当に致命的な意味を為し得るものは、普段は隠れているのではないだろうか、と。

 ジョージは失踪した。幾らかの金を残して、ミシェル・サンダンスと息子のリチャード・サンダンスが眠っている間に、どこかに出かけて戻って来なくなった。ミシェルは朝方になって夫がいないことに気付くと、町の警察に連絡した。だがジョージは見つからなかった。彼は既に国境を越える準備をしていたのである。

 

 共和国西端、国境沿いにある街の名前はサンタウンといった。夏は強い日差し晒される土地で、特産品はオリーブ。大きな河を挟んで旧帝国と接していて,大戦中は一度敵国に占領された経験もある。ジョージはそこに来ていた。なぜこの街を選んだのか、彼にも分からなかった。ただ足の向くままに列車に乗り込んで、着いたのがこの街だった。あのバーにロメオがいたように、またあの駅にトーマスがいたように、運命が彼をこの街に導いた。

 街の中心部にある小さな安ホテルを宿にとった。一日ここで過ごしてから、明朝に出国手続きをすませ旧帝国の側に渡るつもりだった。街に着いて、ここが国境沿いにあることを知ったときからこの国ではなく、他の国の文化の中には、アクチュアルな呪殺が存在しているかもしれないと彼は思ったのである。ホテルからすこし離れたところには新しくできたばかりの博物館と図書館があった。暇つぶしの気分でそこにジョージは入り込んだが、博物館の展示のほとんどが退屈で、十分くらいでもう出てしまおうと思うほどだった。しかし、一つだけこの町の歴史の中で語られるものとして、ジョージの興味をひくのがあった。

 それはグレゴリー・マンという名前の大戦中の将校だった。マン大佐はサンタウン出身の唯一の著名人だという。彼は大戦の中頃から活躍をはじめ、帝国に占領された故郷を取り戻した指揮官だった。しかし、マンは大戦の終期において敵国との密通が疑われ、結局は帝国に亡命し、母国に帰ることなくその人生を終えている。博物館にはマンの写真が二枚あった。彼が中佐だったころのものが一枚と、亡命後に帝国で撮られたものが一枚。後者のものは激しく衰弱した老人の姿がモノクロの一枚に収められていた。ジョージが興味を持ったのはこの一枚だった。

 頭は禿げていて、生命の名残のような毛が両耳の上に少し残っているばかりだった。目は深く落ちくぼんでいるが、眼孔に残った小さな目玉だけがぎょろりとこちらを捉えている。全体的にやせ細っていて、髭は生え放題である。まともな人間には思えない。高級将校というよりホームレスに近い。ジョージはそのマン大佐のくたびれた姿に妙な魅力を感じた。確かにこれから、同様にして河を渡って隣国に向かおうと予定しているところに類似点をみたわけでもあったが、本当に彼を惹きつけたものは、それは性的なものや美的なもの、あるいは知識欲的なものでもない、彼にしか分からない不思議な力だった。ジョージは近くにいた線の細い学芸員にマン大佐について尋ねた。

 学芸員は訝しげに、大佐について語った。マン大佐の写真はかなりひどい姿の彼を映し出していたが、その時のジョージの姿もまた、彼に負けないくらいに不気味で非人間的な雰囲気があるものだった。

 隣接の図書館に彼の伝記があることを聞き出すと、ジョージは礼も言わずに博物館を去って、図書館に入った。呼びつけた司書は若い痩せた男で、「グレゴリー・マンの伝記を出せ」とジョージが言うと、彼はすぐに書庫からそれを持ってきた。

 ジョージはそれをぱらぱらとめくった。マン大佐の若い頃の話や、大戦期の活躍には全く興味がなかった。この男が亡命後、あれほど堕落したそのわけを知りたいと、ジョージは思っていた。

 伝記によれば、マン大佐はごく個人的ななにかの理由で、帝国側と連絡をとっていたらしいことが分かっていた。それは軍事的な共謀ではなかったとされるが、詳しいことは未だ判明していないのだという。大佐は結局、その個人的な連絡を、別の共和国側の将校に察知され、彼の告発によって司令部に呼び出されることになった。戦争の勝利がほとんど確実となってきていた当時の陸軍では、戦後に誰がいい椅子に座ることができるのかということが、軍上層部では最も重要な問題であった。戦功を挙げ続けていたマン大佐を失脚させるチャンスを、内地の将軍たちは探していたのである。

 マン大佐は勘が良かった。呼び出しの通知がくる前には、もう彼は本隊を抜け出していたとされている。帝国側の協力を経て亡命に成功した彼だったが、その後亡命先の異邦において、帝国軍からも逃走し、ついに行方不明となった。そしてその半年後に戦争が終わって、帝国は解体されることになった。   

 そのときマンは旧帝国のジプシー集落にいた。そこでほとんど発狂したような状態で、戦後を過ごした。死ぬ数年前に旧帝国のジャーナリストが彼を発見した。その時の質の悪いネガが博物館に引き伸ばされて展示されている。

 伝記の最後にはマンの遺した手記の一部が掲載されていた。それは亡命後の発狂した精神によって記述されたものらしく、ほとんど意味を為さないものだと伝記作家はしている。後年には精神科医によるその手記の分析も行われた。手記には典型的なパラフレニーの妄想体系が構築されており、やはり亡命後のマンには重度の精神障害が発生していたかあるいは幻想小説でも執筆していたのだろうと、医師は診断している。もはや手記は、まともな価値のある文書ではないという結論がなされている。ジョージはそれにざっと目を通してみた。


《……大いなる闇との対決が自分の使命であるということに気付いたことは、自分の人類的進歩であると同時に、人間世界・社会の脆弱性そのものを見せつける恐ろしい事実であったと言えるであろう。大いなる闇は我々を常に監視しているわけであるが、それはもちろんあれらの本性としてあらゆる精神性の破壊属性を司るわけであり、その対抗的要素として世界の登場した自分の存在をことさら注視するのは自明なのであるが、自分はその脅威について全く無知であり、あれらの狂気的・驚異的・絶対的な観察・監視能力は自分の精神そのものに侵犯してくるという類のものであったため、自分は日のほとんどを無為に過ごさざるを得ない時がある。これを記す今は甚だ頭脳明晰の時期にあるが、いずれまたあれらの干渉が始まればオットの店の草をいぶした煙を吸わなければいけなくなるだろう。闇干渉の開始から自分はしばしば人事不省に陥ること多く、また平生の思考に戻っている気分であっても、外からは明らかに狂人という風に見られているようでもある。これこそ大いなる闇の持つ、人類の長い歴史の中で営まれてきた通念を利用した皮肉的遮蔽の能力である。闇は闇干渉によって自分のような闇に対し認知状態にあるものとそうでないものとの間を絶つのであり、それを復元するためには闇認知の状況を捨て去らねばならないとする、逆接的な強制力を持ったそれは残酷なまでに私たちを無知と盲に追い込もうとするものである。自分がこの集落に逃げてきたのもこれが一つの理由にある。自分の語る言葉も、見る者も全て闇干渉によって慣習には無為に扱われていた。自分もまた以前はそうして相対的被害立場にあって、それに無自覚、無知・盲にあったわけで、それを思えば、はなはだ自分が今ある場所に絶望を覚えるわけであるが、多くの先達のように自分もまたなんとか大いなる闇に対して自覚的対立を求められているのだということを思えば、あまりにも心許ない英雄的虚栄に麻痺した自分の精神をみることができる。しかしこの要請の主体とは果たして何であろうか。自分は確かに一種の大系としての大いなる闇に対抗する分子としてここにあるわけであるものの、即ちこちら側、自分の立つこの立場は一切大系としてなにかがあるわけでもないのである。大いなる闇に対立する総体観念を仮定するのならば安易に総体としての善を想像したくなるのだがそれは余りにも即席の人間的――自分はこの境地に陥ってからというもの、しばしば「人間的」という要素は大いなる闇に対しての類似的・相似的用法と化しているような気がしている。人間が人間的としてみなすものについての諧謔性・粉飾性・擬制性・擬態性には辟易せざるを得ない。対抗軸としての言葉を自分の文書の中に規定するとするならばそれにはあらゆる連関的イメージを込めて「対人的」と表したい――思考であると言わざるを得ない。自分は大いなる闇が総合的・結合的・総体的な存在としてあることが認識しているのであるが、一方善性については全くその通りではない。「対人的」な、即ち闇対抗の文脈の上に立つ者がないわけではないのだが、それが対抗すべき闇に相対し得る程度の規模を一体的に保てているかとなるとやはり否である。先の戦においても自分はやはり統一的善性を見つけるに能わなかった。戦争というものはやはり大いなる闇の顕現するもっとも象徴的・代表的場であろう。自分は軍人としてそこに参加していたのであるが、そのことは幾分の後悔もないというとやはり嘘である。期せずして「人間的」に振る舞い――それこそ「人間的」性の本質なのだが――大いなる闇に対して貢献してしまう。それもかなりの規模によるものであった点はどのように足掻いても補償のやりようのなさに苦しめられる日々である。前述の闇干渉を由来にして自分が平生の思考を保ちうる時間は日々削られているのではあるが、そのあいだの思考を記憶したまま、次回の平生を待つということは自分にはどうやらできない。嘆かわしいことであるが自分には自分にやれることを盲目的にであってもやる他ないのであり、それがたとえ最終的な無意味に終着し自分は絶望の中に消滅することになったとしてもその方向性・志向性はかならずや世界に跡を残すものであると自分は思っている。煤に汚れたガラス戸を、ひどく小さな釘でひっかけば少しだけ黒い幕が取れて白い線が生まれるのを想像すれば自分の言わんとせんことは半ば伝わるものと考える。たとえこの文章がどこぞで窯の火を焚くにくべられることに成ろうともその火で煮炊かれた粥を食う者がおり、その灰が巻かれた土の上に生きる草木があるだけで志向性が連続することは自明である。自分に恐怖はない。そもそも自分には、自分の代で大いなる闇を打ち倒そうする絶対的意識があるものの、それが現実的になし得る業であるとはやはり考えていない。自分の志向性は必ず以後の人々に継承されるであろうところに疑いないのである。そこから考えるに、もしや総体善性と呼ぶべきものがあるのだとすればそれは時間的連続性の中にあるではないだろうか?自分の絶えない志向性があらゆる形式の接続によって後年の到達するように善性の大精神は闇のそれとは異なり、大きな総体ではなく時代的な代表者に受け継がれるものなのではないだろうか。しかしその連続性に依拠するのであればそれは畢竟の「人間的」性に汚染されているといえよう。「対人的」であるためにも今世での勝利への志向も不可欠なのである。矛盾観念にこそ善性が宿るような直観さえ自分にはある。なぜなら合理性や論理整合追求の世界こそ「人間的」性の一個の本質であるように思われるのであり、その対照としての矛盾性は善象徴にも思える。自分が見つけた今世中の革命の手段として最も有効と思しいものは井戸である。枯れ井戸である。それは現実的なものでも観念的なものでも差異はないと考える。深く潜ることに意味があるからである。井戸が適してあるのは地脈に通じる観念を持っている点で、枯れ井戸に潜ることが、巨大な母体の観念に接続できるのではないかと、それは自分で堀った穴ではうまく行かず、またまだ水が湧き出している井戸でも不可能であった。忘れ去られた枯れ井戸がもっとも適している。もっとも力強く本性母体に接続することが出来た。本性母体は本来の名を何某というのだが、接続が切れるとそれを思い返すことも、発音することにも不可能であることは歯がゆいが、それは呼び名でしかなく、ここでは「本性母体」と表すことに不足はない。井戸の発見は革命的であると思う。これほどまでに近づいた手段は今までなかった。この村に来たことはやはり示唆を得る意味で正解であったと思う。対人精神の。総体善性の賦活には井戸の観念が不可欠であり、これを画定し得たことは自分の闇への対抗において確実な一歩である。……》


 確かに狂人の書いたものだろうという感じがした。だが、唯一、井戸の話の部分について、ジョージはそこに意味を受け取っていた。彼は井戸の記述の部分を簡単にメモしてから、図書館を去った。

 ――井戸か。そう井戸だ。呪いの始まりには井戸がふさわしい。

 街を歩きまわりながら、井戸についての思索を深めていた。枯れ井戸の中に潜り込むことにどれほどの効果があるのか分からないものの、ある種の予感として、井戸に意味があるのは明白だった。

 

 明日朝一番に国境管理局に向かって手続きを済ます予定だった。それまでジョージは、足の向くままに探索をして、なにか示唆を得ようとしていた。彼にはもはや、論理的な行動規範はなかった。ただ訪れるものが、意味あるものだという、奇妙な確信のもとに価値を判断していた。そして全てはロメオの呪殺に還元される。

 そしてただ訪れたものとして、彼の前に現れたのは石造りの女神像だった。広場の中央に噴水に使われるような土台があって、その上に白い女神が立っていた。どこにでもあるようなくたびれた石造だった。少しの間それを見つめたが、やがて興味を失って、ジョージは去ろうとした。するといつの間にか、背後に人が立っていた。

「何か用か」ジョージが尋ねると、彼に向かい合った若い大男は言った。頭を剃り上げているようだが、ひと房分が冗談のように額から垂れ下がっている。男の顔はひどく険しい。

「薄汚い根無し草は、ここから去るんだ」尋常ではない声色だった。明らかにジョージを警戒している。ジョージはどういう具合でこの男と会話が成り立つのかよく分からなかったが、とりあえず答えた。

「もちろん去る。君は何か怒っているらしいが、それは、オレには関係のないことだ」

 大男はジョージを睨み続けていた。彼はジョージを嫌悪しているし、軽蔑していたが、なんといっても、彼は恐れていた。

 大男には、宗教的な信仰があった。その規模の小さい、神秘主義的な要素を多く含んだ土着宗教にはいまだ預言者が健在で、そしてジョージがやって来る数日前から、脅威としての異邦人来訪が預言されていたのである。敬虔な信徒であったこの大男は、もしも信仰を傷つける者がいたとしたらそれを暴力の力で排除することができるのは、自分だけだと考えていた。そしてそれと対面したとき、彼は脅威という言葉の本当に意味を知ることになった。それは暴力や他の観念によって打ち払うことができるものではなかったのである。年老いた祖父の経営するカフェと、自分の人生の核にある信仰を守っていくことだけが生きがいの彼にとって、その襲来は、若者らしい思考法の下に見なされる活躍のステージであった。しかし預言によるそれは、もっと彼の想像をはるかに超える異常性と穢らわしさで構成されていて、いざその目の前にたったとき、大男は自分の無力さを大いに痛感した。たぶん自分には、大切なものを守ることができないだろう。そういう予感があった。ただそれは、脅威の気まぐれによって外れた。

 ジョージはそこにあったもの全てになんの興味もなかった。そこにあるものたちはみんな、ロメオを殺すのに役にも立たなければ、邪魔にもならないものだった。彼はその広場から去っていった。もちろん大男がその後を追うようなことはなかった。


 翌日、ジョージは合法的な方法で越境した。出国の手続きをした担当官は、彼にみすぼらしさに少し眉をひそめたが、程度の悪いバックパッカーか何かかと思い込んで、彼をそのまま隣国に渡らせた。河の向こう側にあるサンタウンよりもずっと貧しいどや街に潜り込んだ彼は、枯れ井戸の捜索を始めた。まず目標としては、グレゴリー・マン本人が降りた井戸を探すことにした。伝記に、彼の亡命後の足取りと、件の手記が発見された町についての情報があったので、それを頼りに井戸を探す腹積もりでいた。場所は容易く判明したが、少々問題があった。


「その町はもうないよ」とジョージが話を持ち掛けた安宿の主は言った。

「ないって?」

「そこは戦争が終わって十年かそこらのときに、ガスが出るようになったんだ。硫黄とかなんかの、天然の毒ガスさ。初めは下水管にねずみの死骸が詰まってダメになったとか、旧帝国軍のテロだとかいろいろ言われたんだけど、結局は地殻変動のあれこれで火山ガスが噴き出したんだってことになってね。そりゃもちろん建物やなんかは残ってるんだけど、まず生き物がいられる環境じゃなくなったわけさ。そういう意味で、もうないんだよ。その町はね」

「もう誰もいないんだな」

「ああ、誰もいないね」

「行ったら死ぬのか」

「死ぬ。死ぬね」

「行けるのか?」

「あん? なんだって?」

「だから、行くことには行けるのか? 例えば、封鎖されてたりしてるのか?」

「ああ、今はフェンスが掛けられてるよ。国が入れないようにしてる。マァあんなところ、好んで行く奴はいないだろうがね」

「人が監視してるか?」

「監視はしてなかったはずだね。鉄フェンスが二・三メートルの高さくらいあって、あとは『この先、毒ガス危険!』でドクロマークだ。周辺の町のガキどもは親からキツく言い聞かされてるから絶対に行かない」

「なるほど」

「お兄さん、行きたいの? 絶対死ぬよ」

「マスクをかぶれば行けるだろう」

「持ってるの?」

「ないけど、探してくる」

「……そこまでして、何があるんだい? お兄さん共和国から来たんだろ? 外国からそんなにしてさ。お宝かい?」

「お宝かどうかは分からないが、人生をかける価値はある」

「あの政治家を殺すのにそんなに価値があるの?」

 ジョージは絶句した。そうして、初めてまともに宿の店主の顔を見直した。太った醜い男だった。頭は丸坊主にしている。頬はだらりと犬のように垂れ落ちていて、にきびとあばたでグシャグシャになっていた。腐った果物のようにも見える。口から覗く歯はみんな薄汚い黄色に染まっていた。目は死体みたいにどんより濁っていた。口から、腐敗が進んだ動物の死骸の臭いがした。

 悪魔的に醜いその男は言った。

 ――そうさ。あんたの人生をぶっ潰したあのくそがきを、我々で祟り殺してやろうじゃないか。

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