最終局 100年後の将棋篇
第95手 やはりSTAP細胞は無くなる世界
将棋星人との戦いから半年が過ぎた。
以前ならば、STAP細胞の力により、大抵の傷なんてすぐに治っていたが、今回ばかりは頼ることができなかったので、全員が退院するまでにはかなりの時間を要した。
幸い死者が出ることはなかった。
そして、東京都心が麻痺した件だが、やはり波紋は全国にまで広がってしまったらしく、日本のAIは完全に終わりを遂げた。何十年、何百年という長い時間を使って作り上げた文明は、一瞬にして滅び去ったのだ。
現在日本は、他国からの微々たる支援を受けることにより少しずつ復旧を始めている。
また、1からのスタートだ。
AIの無い暮らしを経験し、如何に俺ら人間は弱い存在なのかを実感した。便利とは、人間本来の強さを退化させる。
将棋だって、間違った方向に行っていたのだと改めて実感した。
そもそも人を傷付けることなんてあってはならないんだ。俺のバカ兄貴がやろうとしていたことは、今になって解るような気もする。
将棋も1からやり直しだ。
俺らプロ棋士達の考えは皆同じであった。
将棋人生も最初からやり直すんだ。やり直しは、早いも遅いもない。
ってことで、俺らは今、国立図書館へとやって来た。将棋の神が存在していた時代、果たしてどんなルールで将棋が行われていたのかを知ることから始めなくてはならない。
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