家臣チームside…死闘の始まり
南にひたすら歩くこと1里ほど(5キロくらい)。
ぞんび?とやらは特に居ないみたいだ。
「殿はご無事だろうか?」
隣で兄上の継信がポツリと零す。
そういえば殿や明日美殿、里沙殿、奈央殿、裕太殿、一翔殿、友里亜殿、美晴殿と別れてもう半日が経過。
全員無事でいるだろうか?
少し、いやかなり心配ではあるけれどきっと大丈夫だろう。
そう信じよう…。
すると、向こうの方からヤツらが忠信達の方に向けてやってくるのが見える。
腐敗が進んで頭蓋骨が露出し、髪の毛が半分くらい抜け落ちたもの。うじを身体中から零しながらやってくるもの。腐敗ガスで身体がまるで風船のように膨らんでいるもの。ミイラ化しているものなど様々な状態のゾンビ達がいる。そのどれもが目を背けたくなるような惨さだった。
ヤツらは覚束ない足取りで、忠信達に向かっていく。
忠信、継信、義盛は刀で、弁慶は大きな薙刀でヤツらに斬りかかった。
ヤツらは次々と頸を切り落とされ、その活動を永久に停止する。
ゾンビを全て倒しきり、4人は一息ついた。
「本当、困ったお邪魔虫君ね。」
突然少女の声が背後から聞こえ、驚いて振り返ってみるとそこには、SF映画で見るかのような服装を身に纏ったサイドロングの髪の毛の少女が不気味に笑いながらそこに立っている。
…夕菜だ…。
数々の修羅場を駆け抜けてきた忠信達だから人の気配があればすぐに気がつく筈なのに夕菜が迫ってきていても全く気が付かなかった。
「さっき警告したわよね?なのになんで邪魔を続けるのかしら?
本当どいつもこいつも学習能力がなさ過ぎて呆れちゃうわ。」
乾いた声でそう話す夕菜は何処からどう見てもあどけない10代の少女にしか見えないし、誰がどう見ても齢70を過ぎた老婆だとは到底思えないだろう。
「もうこんなに倒しちゃって…アタシ達だって頑張ってるのよ?
それをあんた達が邪魔するから全て水の泡じゃないの。
それにあんた達の主君は何処に行ったのかしら?」
夕菜が冷酷な笑みを浮かべながら言う。
「「「「殿の元へは絶対に行かせはせん!!」」」」
忠信、継信、義盛が刀を、弁慶が薙刀の切っ先をそれぞれ夕菜に向ける。
「はあ…。本当懲りない困った君たちねえ…。
言うことを聞かないガキは殺してさしあげるまでね。」
夕菜は残酷な笑みを浮かべながら指をパチンと鳴らす。彼女の指パッチンを合図に物陰からSF映画で見るような未来人の服装の人が大勢出てくる。
どうやら侵攻軍の二等兵や一等兵達らしい。
人数はざっと30人は超える…。
兵達は腰に差してある剣を抜くと、4人に向かって斬りかかっていく。
「いくら強くても多勢に無勢、勝てないでしょう?
降伏するなら今のうちよ?」
夕菜は彼らに降伏を迫るが彼らは夕菜を無視し、それぞれ刀を薙刀を構え戦闘態勢に入る。
「全く困った子羊君ね…。」
夕菜はやれやれとでも言うかのように小さく呟いた。
そして忠信、継信、義盛、弁慶vs悪の組織の軍隊との激しい死闘の幕が上がった。
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