折り合いが悪い?

「もっと罵ってやりたかったのにあっさり倒しちゃってさ。」

 奈央が4人に文句を言う、4人は鉄パイプを元の場所に戻してから一言。

「「「「で?」」」」

 そんな彼らの態度に苛ついたのか奈央はキツイ一言を放つ。

「で?じゃないわよ!!それだけしか言えないわけ?

 本当、単純な思考回路で羨ましいわ。」

 そんな奈央に向かって裕太が一言。

「もっと罵ってやりたかったのにってお前は鬼か悪魔かよ。」

 鬼か悪魔って…あんたは奈央を何だと思っているのよ?とわたしは心の中で思ったが口には出せなかった。

 奈央は少し笑いながら言う。

「あのおじさん達って凶悪犯なのでしょう?

 凶悪犯なんていくら罵っても好きなだけ罵倒しまくっても誰からも咎められることなんてないから良いじゃない。」


「怖い、怖すぎるよ…。」

 奈央の一言に美晴はポツリと零す。


「お前、本当怖い奴だな。」

 裕太の一言に奈央が少し苛ついたような口調で言い返す。

「そういうあんた達だっておじさん達に散々酷い事を言ってたじゃないの!?」


「僕たちは君ほど酷い事は言ってないはずだけど?」

 一翔の一言に友里亜がボソッと囁く。

「正しく五十歩百歩ね。」


「「阿保な女子は面倒だな…。」」

 義経と季長がため息に混じりに愚痴を零す、それをしっかり聞いていた奈央が言い放つ。

「名誉が傷つくくらいなら死んだ方がマシ的な思考回路のお馬鹿侍は黙っててくれます?」

 その言葉を受けた二人は「名誉は命よりも大事な物だ」と言うことを奈央に説明していたが彼女は聞く耳を全く持たない。

「もう4人とも煩いわね。山崎君二人に九郎君と五郎君(季長の通称)は大人しく明日美ちゃんに反対言葉でも喋ってりゃいいのよ。」


「ふうん、反対言葉…っておいちょっと待てよ俺たちがいつ反対言葉喋ったっていうんだよ!?」

 裕太が奈央にムキになるが彼女は涼しい顔で一言。

「いつ喋ったっていつも喋ってるじゃないの?」


「喋ってねーし、て言うか俺たち4人とも素直だし。」

 いやいや何処が素直なのよ?わたしがそう思っていると今にも吹き出しそうな顔で奈央が言う。

「あら、それも反対言葉かしら?」

 その一言で4人は黙り込んだ。


「明日美ちゃん、奈央ちゃんと山崎君達って仲悪いのかな?」

 美晴ちゃんがわたしに聞いてくる。うーんどうなんだろうな?

「別に悪くはないけれど、なんていうかなぁ…わたしにもよく分かんないや。」


 お互い嫌っている訳では無いのは明らかだけれどなんて言うか、所謂ケンカ友達ってやつなのかな?







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