屍地帯
もう、奈央と4人はいつまでソリが合わないんだ!?とつくづく思ってしまう。
まあ4人と奈央は根っこの部分が少し似てるからお互い素直になれないって感じなのかな?なんて呑気な事を考えているうちにそれは起こった。
「キャーー!!」「こっちに来るなあああ!!」
飛び交う男女の悲鳴、それにつられて集まってくるヤツら。
あっちにも、こっちにも、四方八方がゾンビで溢れかえっていた。
まだゾンビ化して間もないらしい新鮮なものもいれば、死後かなり時間が経って腐敗が進み、変色して落ちかけた肉が皮膚がボロ布のように垂れ下がっているものもいれば身体がガスでパンパンに膨らんでいるものもいる。
ヤツの姿を暫く見ていなかったわたしは思わず目を覆いたくなるような恐ろしい光景だ。
なんとか倒さなくてはならないとはこの場にいる全員が思ったがあまりにも数が多すぎるため、10人そこそこじゃどうにもならないのかもしれない。
でもそんなのやってみなくては分からない。
勿論怖いし、死ぬかもしれない。でもわたしだけ何もしない訳にはいけない。第一友里亜さんから貰った大鎌があるし。
すると、わたしの隣にいた美晴ちゃんがポケットから分厚い刃のサバイバルナイフを取り出す。
彼女の瞳には負けないという強い意志が宿っているかのように思えた。
わたし、戦うんだ…世界を救う為に!!
友里亜はロングソードを、奈央と里沙、弁慶は薙刀を裕太、義経、季長、義盛、忠信、継信は日本刀を、一翔は弓と日本刀、明日美は大鎌を美晴はサバイバルナイフ手にヤツらに立ち向かう。
ヤツらは明日美達の存在に気が付いたのか一斉にこちらに狙いをつけて腐敗臭を漂わせながら覚束ない足取りで彼ら、彼女らにやってくる。
ゾンビとの死闘が本格的に始まったのだ。
友里亜はロングソードを構えヤツの脳天にその刃を振り下ろす。その攻撃により頭蓋骨が割れ、ヤツは糸が切れたかのようにその動きを停止する。
一翔の弓から放たれる矢は次々とヤツの頭を貫通させ、ゾンビ達を無力化させていった。
裕太、義経、義盛、忠信、継信、季長は日本刀でヤツの頸を次々に跳ねていく。頭と胴体が切り離されたゾンビ達はバタバタとその場に倒れていく。
奈央は薙刀でヤツの両腕を切断し、里沙が薙刀でヤツの頸を跳ねていく、弁慶はその大柄な体格に見合う程の大きな薙刀でヤツらを一人で圧倒する。
その強さは正にバケモノと言える程だ。
明日美は大鎌でヤツの手足を切断し、ヤツが動けなくなったところで美晴がサバイバルナイフをその頭に突き刺す。二人の見事な連係プレーによってヤツらは次々とその動きを停止させる。
みんなの活躍によって此処に居たゾンビ達は全滅し、明日美達は次の拠点へと向かって行った。
だが、彼ら彼女らは知らなかった、次の拠点でこの世の地獄を見るということを…。
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