ケイカク
ゾンビ発生数日前。
あたしの名前は榎本夕菜、2300年生まれである。
わざわざ280年も昔の令和時代に潜入してわざわざ公立中学校にも転校生って事でクラスメート達に紛れて学校生活を営んでいる。
タイムマシーンからはるばる令和時代の日本へ来たのには理由があった。
この時代で新しい生物兵器の実験をしろと父親から任務を任されているのだ。
あたしの父親は侵攻軍の将官で過去の時代を次々と侵略している。
そして新しい生物兵器の実験をしろとはるばる100年も昔の令和時代に来ている訳だ。
ゾンビ…生物兵器101番。動く死体で主に生きている人間を襲う。襲われ噛まれた者は新たにゾンビとなり生物兵器の役目をする。活動期間は白骨化するまで。
確かあたしらが暮らしていた22世紀で生物兵器の実験をしたけれど尽く邪魔されて無駄だった、あの友里亜とかいう女とその家族、友人のせいでひどい目にあった。
まあ友里亜の友人があたしのお父さんに殺されたと知った時に泣き叫ぶあの女の醜態を見たのは今でも笑いがこみ上げてくるくらいの面白さだと思う。
それに令和時代なら生物兵器に成すすべもなく侵略されていくに違いないわ。
この街一体が壊滅すれば生物兵器の実験は成功、あたしだって伍長から3等軍曹くらいに昇格できるから失敗は許さないし邪魔をする者は誰であっても惨殺してやる。
ところでゾンビ第一号になりそうないいカモが近くにいないかしら?
ゾンビウイルスの入った注射器を方手に持ちながらあたしはゾンビ第一号になりそうなヤツを探していた。
すると路地裏の向こうから誰かが疲れた足取りでやってくる。
その誰かとは白いワンピースを着た若い女性だった。
(いいカモ発見〜)
あたしは咄嗟に軽い毒薬をあの女に放つとその女は手足が痺れて動けなくなったらしい。
あたしは笑顔で女に近づくと
「生物兵器第一号おめでとう。あたしのマウスちゃん。」
そう言ってあたしは抵抗する暇も与えずまだ痺れている女の細い腕に注射器を突き立てゾンビウイルスを中に注入した。
すると女は白目を剥いて激しく痙攣を始める、ウイルスを注入した腕は青々とした血管が気味悪く浮かんでいた。
やがて女が白目を剥いたきりピクリとも動かなくなる。
あたしは急いで女の脈を確認した、脈も呼吸も止まっている。
既に死んでいた。
夕菜は不気味な笑みを浮かべてゾンビになる女の死体に向かって一言。
「白骨化するまで頑張ってね、カワイイマウスちゃんフフフ…。」
そして半年くらい経過したこの日、何故かゾンビの数はあまり増えていない。
何者かが計画を邪魔していることは明らかだった。
邪魔している害虫共を特定するべくあたしが放った小型衛星に映っていたのは
本山明日美、山崎裕太、山崎一翔、源義経、竹崎季長、佐藤忠信、佐藤継信、伊勢三郎義盛、武蔵坊弁慶、明日美の両親である本山恵里菜、本山蒼汰、杉野奈央、村田里沙、佐竹美晴、神崎友里亜だった。
あたしら侵攻軍の計画を邪魔しやがって許さない、絶対に許さない、見つけ次第皆殺しにしてやる!!
正直裕太、一翔、義経、季長は初めて見たときこんな綺麗な人がいるんだ〜って目がハートマークになったし、明日美ちゃんのお父さんだってカッコいい。佐藤兄弟だって伊勢三郎だって、弁慶だって顔立ちは整ってるし。
でも、いくらカッコ良くても綺麗でもあたしらの計画を邪魔する害虫だから始末してあげなきゃね。
見つけ次第綺麗な顔がグチャグチャになるように醜くなるように殺してあげる。
美晴は恐怖で泣き叫ばせてから殺してあげようか。
あいつの恐怖で歪んだ不細工ヅラを堪能しながら殺すとしよう。
友里亜は遺体が残らないくらいの残忍な方法で殺してあげる。
あたしらの計画を邪魔しやがって、絶対に許さない。
この害虫らをたくさん甚振った後に殺してあげる。
さあて本山明日美、山崎裕太、山崎一翔、源義経、竹崎季長、佐藤忠信、佐藤継信、伊勢三郎義盛、武蔵坊弁慶、本山恵里菜、本山蒼汰、杉野奈央、村田里沙、佐竹美晴、神崎友里亜は今どこにいるのかなあ?
見つけ次第この害虫共をみんな始末してやるから、うふふふ…。
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