第6話円環時間

時間は円環で閉じているんじゃないかという考えですね。地球を想像してもらうとわかりやすいんじゃないかと思うんですが、地表面は2次元球面座標で、つまり変数が2つ決まれば位置が決まるんですけど、球面なので歩いてると元の位置に戻ります。だったら時間が戻って悪いわけなんてない。綺麗ですしね。


ただ、誤解されやすいのがループしてるわけじゃないということなんです。因果律さえ成り立ってればいいので、永遠に上書きされ続ける。だって地球を一周歩いたからと言って、また同じ軌跡を辿らなきゃいけないなんてことないでしょう?


問題なのは、時間が独立なものでなくて、物体の移動によって定義されると捉えたときなんです。つまり因果律の成り立つ移動が起こったとき、これを時間が経ったと呼ぼうじゃないかと。そうすると時間は真っ直ぐにしか進むことができなくて(というか時間がそもそも"存在"していない)円環で閉じてしまうとループするわけです。悪くはないんだけど、ちょっとラプラスの悪魔みたいです面白くない、ゴホンゴホン、ミクロを完全に排除してしまっている。都合が悪い。


どうなんだろう。でも宇宙の始まりが無であった、無から有が生まれた、とするよりは納得しやすくありませんか?別に始まりもなければ終わりもなくて、有が有に変化し続けるだけです。原因と結果があっても、始まりと終わりがなければならないというのが、どうも私には相容れないんですね。


つぎも似たお話になります。

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