第八話 冒険者登録
急すぎる話があったがそれはさておき、ギルドの説明についてまだされていない。
察しはつくが、一応聞いておかなくてはならない。ランクとか気になるし。
「あの、陛下g「フラムで良い」…そうですか」
被せてくるスタイルかぁ~。立場的に文句は言えないけどなんかなぁ。
「フラムさん、ギルドについての説明をしてもらっても良いですか?」
「ああ、それならクロル。頼めるか?」
すると白衣の男が前に出てきて、俺にお辞儀をしてきた。
「初めまして、私はクロムと申します者です。かわいいお坊ちゃん」
眼鏡をクイッとしながら自己紹介するのは眼鏡キャラの宿命なのか知らないが、最後に余計なことを発言したのはわかる。
「わたしはリソウっていうの。よろしくね、クロムおにいちゃん!」
ささやかな反撃をしてクロムの様子を見る。
「は…はい、宜しくお願いします。で…では、説明を始めてもいいでしょうか」
急なキャラの変化に動揺を見せるクロム。どうやら完璧系眼鏡ではないようだ。若干ひかれている気もするがそんなことは気にしない。
青年がこんなことを発言したら普通は気持ち悪いからな。
ま、反撃は成功とみていいだろう。
フッ、我が恐ろしさではなく可愛さ思い知ったか。
勝利の余韻に浸っている俺を無視してクロムが説明を始める。
「異世界人であればほとんど説明はいらないと思いますので、簡単に説明させていただきます。ランクは下から、F,E,D,C,B,A,Sとなっています。依頼をこなしていくとランクが上がります。あと、ランクに使われているアルファベットですがあまり気にしないでいただけると幸いです。依頼についても説明します。質問は一通り終わってからでお願いします。FやEは駆け出し用で大抵は採取系です。雑用も交じってますがランクが上がるためのクエスト受注数は変わらないので採取系をお勧めします。D、C、Bまでは討伐系クエストです。小型から大型まで取り扱っています。採取系も交じっていますが面倒なのでお勧めできません。危険度は低いですけどね。A、Sは高難度で危険度が恐ろしく高いクエストが揃っています。その分報酬も高いのでハイリスクハイリターンですね。それについての詳しい説明はランクが到達してからします。そのときに私たちが死んでいなければですが。ここまでで質問はありませんか?」
「一つだけいいですか?」
「はい、なんでしょう」
「戦争って強制参加なんですか?」
「そんなことはありませんが、ギルドマスターは王様で私は総合大臣ですので国を守るために闘わなければいけないのです。たとえ、負けるとわかっていても」
「そう…ですか」
「そんな顔しないでください。新たなる王となるお方がそんなのでどうするのですか。いつでも前向きに考えてください。あなたは私たちの希望なのですから。さて、腕試しで最初のクエストといきましょうか。薬草5本の納品です。わかったらさっさと行ってきなさい、お坊ちゃん」
しんみりした雰囲気からの転換がうまいな。まぁでも、ここは乗っておこう。先のことを考えるのは今は後にしよう。
「りょうかい!いってきます!」
街の外に生えているであろう薬草を探しに俺はギルドを後にした。
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