第3話 裏の繋がり
シュリが命令を下しているころ、メトゥスは白い道を歩いていた。
その先にいるのは、この世で絶対的な強者の光天神だった。
彼はメトゥスの方には顔を向けずただ天から地上を眺めていた。
「メトゥス、君は悪い子だ。僕が命じた主人、シュリの命令を放棄して寄り道をしているのだから。」
光天神は穏やかな声だが呆れたように言った。
「ご安心下さい。命じられたビンは既に容姿しているので。」
メトゥスは堂々と言うと、彼はため息をついた。
「そう言う意味じゃないんだけど。…それで要件は何かな?」
「シュリ様のこと、本当によろしいのですか?」
「問題ないよ。彼女はこちらの手の内だよ。」
光天神は笑うとやっとこちらに顔を向けた。
「私は心配なのです。もし前回ようなことがあれば取り返しがつきません。」
だがこの瞬間、メトゥスの発言で一瞬にして光天神のオーラが変わる。
「それは僕に喧嘩を売っているのかい?」
日頃の優しい彼は何処へ行ったのか、今の彼は殺気に満ちていた。
そう、それは静かな恐ろしい怒り。
メトゥスはそんな彼を見て何も言えなくなってしまった。
「大丈夫だよ。今の彼女は僕が飼い慣らしてるから。反抗期になったらちゃんと躾はするよ。」
光天神はあくまで、自分より下だと言うように目を光らせた。
「それにメトゥスが監視してくれているし、あまり心配しないで大丈夫だよ。それともう戻った方が良いよ。これ以上は怪しまれる。」
光天神は穏やかにそう言うと、メトゥスは礼をしてその場から消えた。
彼女がいなくなってその場を見届けると、彼は再び外を見下ろした。その瞳はずっと一点を見つめて捉えていた。
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