弐戦目 新しい出会い
「これから、ボクはここで暮らすのか。」
目の前に暁荘と書かれた二階建ての建物が立っている。
手紙が届いてからなんと4日しか経っていない。
これから、何があるのか?
何が待っているのか?
分からない。
けれども、これだけは言える。
ボクは生きている。
もしも、手紙が届かなければボクはとっくのとうに自殺をして死んでいただろう。
なので、この先何があっても頑張って生きようと思う。
というか、ここ誰もいないのか?
まさか罠だったとかないよね?
ボクが少し心配していたときだった。
「やあ。今日からここに住む
裏から出てきた男の人はボクの名前を言った。
そのことがすごく嬉しかった。
人に名前を呼ばれたことなんかあっただろうか。
はっ、そんなことより速く答えなくては。
「は、はい。」
その男の人はよく見ると、すごく優しそうできれいな茶髪を一つに結んでいた。
そして、スキがなさそうな人だった。
「私はここの管理人の、名取
この人が、手紙を送ってきた人かな?
「よろしくお願いします。ボクは
あなたが、ボクに手紙を送ってきた人ですか?」
「そうだよ。さあ、あがって。君が住むのは二階だよ。」
木の匂いがする。
決して、新しい家ではないけれどもだれかと一緒に住むのが初めてだからこれからが、すごく楽しみだ。
階段を上がっているときに話しかけられた。
「君はちょっと男の子に見えるね。」
そうかな?
一人称はボクだけど、男の子に見えると、言われたのは初めてだ。
あれ、まてよ。
そうだ!
「そういえばボク、かつらをつけていたんですよ。忘れていました。」
すっかり忘れていた。
「あ、そういうことだったんだ。」
「なんで、かつらをつけていたの?」
「以前、一人で歩いていたら変な人達に絡まれたことがありました。
なので、それ以降は男の子のふりをして街中を歩いています。」
「そんな、大変なことがあったんだ。可哀想に…。」
その話が終わったらボクの部屋の前までなにも話さなかった。
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