応援コメント

8.どこかで」への応援コメント

  • 私も水をテーマにした物語を考えていたのですが、そんなときに出会ったのが星向さんのこの作品でした。
    読んでみて、同じ水をテーマにしていても、私の考えていた話と「水分子の思い出」とで、これ程違う視点の物語になるのかと驚かされました。

    科学的な情報も盛りだくさんで、読んでいて勉強になるのですが、それにロマンチックな描写が綺麗に混ぜ合さって、読んでいて楽しかったです。

    情景描写がどれも、頭に浮かぶ美しい物でした。

    作者からの返信

    お読みくださり、ありがとうございます。
    水は身近な存在ですから、水を見る視点も、水と関わった思い出も、人の数だけあるんじゃないでしょうか。
    滝川さんの物語も、読んでみたいです。

    この小説が、初めて称賛されたとき、うれしくて、ロマンチックな描写をかなり書き足しました。最初はもっと、そっけない文章でした。この小説にロマンがあるのは、ほめてくださった方のおかげですよ。

  • 聞きなれない言葉があるにも関わらず、簡潔でドラマティックです。とても読みやすかったです。随所に、書き上げるまでの入念な調査と深い知識が感じられて良いですね。

    僕の地元に近いので更に入り込みやすかったのもありますし、頭の中でイメージが空へ地下へ、そして地上へと旅をしていました。
    化学と知識が現実とフィクションの間を繋ぎとめていて、作り物すぎない感じを受けたのが個人的にとても好きなんですよ。

    作者からの返信

    お返事遅れてすみません。
    お読みくださり、ありがとうございます。

    実際に使われている言葉には、『人間集団に許容されている言葉が持つ、確固とした存在感』があって、初めて見る言葉でも、すんなり受け入れられるものなんですよ。逆に、作家がこしらえた架空の造語だと、作中でていねいに説明しても、受け入れてもらえなかったりします。
    言葉の重さが違うんですね。なぜそうなるのかは分かりません。
    とにかく、『実在する言葉は、必ず分かりやすい』という信念のもと、書いています。
    調査は、ネットと図書館と本屋に通っただけです。

    この小説の着想は、新幹線の中で生まれたんですよ。
    京都へ向かう車窓から、梅田の高層ビル群の背後にそびえたつ、巨大な積乱雲が見えました。その頂点は陽光に照らされて、白銀色のきらめきを放っていました。
    そのとき思ったんです。『もしも水分子に心があったら、積乱雲の頂点に立つことは、彼らの最大の名誉だろうな』と。
    それが出発点でした。その時点で、幸い、下水道の知識はありましたので、ジェットコースター小説にしようと、強く意識しました。

    作り物すぎない感じを好きになっていただけてうれしいです。
    イーストフードを混ぜない食パンみたいなものですね。

  • 面白かったです。科学的なのは勿論でが、宗教的にというのか、ある種の仏教的価値観を感じました。感動しました。実に素晴らしい。
    科学雑誌に載せてほしいですね。

    作者からの返信

    読んでくださってありがとうございました。
    楽しんでいただけたようで、嬉しいです。

    前半がきつい展開のせいか、雲のバルコニーまで読まずに止めてしまう人が、割と多いんですよ。せっかくゴールで甘いお汁粉を用意して待ってたのに……。最後まで読んでくれてThank you!です。悉皆成仏 だYo!

    『水分子には心がある』というのは、疑似科学の世界では定番ネタなので、科学雑誌の編集者さんには、うさんくさがられるかも?

    すみこうぴさんのような『行動の世界に生きる、根本的に陽性の人』を感動させることができて、誇りに思っているんだZe!


  • 編集済

    文系の私でもすーっと心に響くほど、優しく分かりやすい素敵なファンタジーですね。

    パステルの絵柄をつければ、親子で楽しめる「童話で語る、科学のおはなし」的な作品になると思います。

    地名に馴染みがあるだけに、親近感も湧いて、「へーそうなのか」「なるほど、こう言う仕組みなのか」と楽しく読ませて頂きました。

    作者からの返信

    嬉しいことが、立て続けにあって、驚いています。
    由海さんから感想をもらえる日を、心待ちにしていました。根がええかっこしいなもので、おねだりはしなかったですけどね。

    楽しんでいただけて嬉しいです。優しく分かりやすいと言っていただけたことも。「素敵」か……私のどこにそんな要素が潜んでいたのやら。

    滋賀県大津市を舞台に選んだことには、そうするしかなかった理由があります。
    下水道には『合流式』と『分流式』があります。
    合流式は、雨水と生活排水を同一の管で流す方式です。集中豪雨で、大量の雨水が下水道に流れ込んだ時、あふれ出して近くの川や湖や海を汚染する危険があります。古い方式です。
    分流式は、雨水と生活排水を別々の管で流す、新しい方式です。
    そして、琵琶湖沿岸で合流式が今も残っているのは、大津市街の中心部だけだったんですよ。
    他の場所で話を進めた場合、水分子は『雨水管』に流れ込んで、琵琶湖に流し込まれるだけ。面白くも何ともありません。
    そして、水再生センターの対岸は湖南であり、漁師が小鮎漁をしています。
    下水道の描写に凝ったのは、一つには私の悪趣味からであり、もう一つは私の正義感(?)からです。下水道には下水道の道理があり、おろそかにはできなかったんです。

    「取材自慢やらしー」とか、思わんといてくださいね。私はこの小説を書く時、普段よりかなりまじめにやったというわけなんですよ。
    感想をくださり、ありがとうございました。

  • ギャリコの雪のひとひらを彷彿とさせるストーリーですが、科学的な説明と童話的な世界がうまくマッチしていると思います。
    面白かったです。

    作者からの返信

    ついにこの日がやってきました。応援してくださったかたに、返信でお礼を述べることができる日が。

    赤字の削除ボタンを初めて見ました。今まで、わたしの応援コメントが削除されたことが一度もなかったのは、相手方の寛容さのたまものであったと知りました。

    応援してくださったことと、知恵を授けてくださったことに厚く御礼申し上げます。
    私はこの小説を、なかなかうまく書けたと思っていましたので、反響の少なさにがっかりしていました。先人の傑作があったのですね。「日の下に新しきものなし」だったようです。
    私はなぜか、ポール・ギャリコという人物を、航空冒険小説作家だとばかり思っていました。どうやらギャビン・ライアルと混同していたようです。なぜそんな誤解が、幼少期の私の中で生じたのか分かりません。
    本屋で「トマシーナ」を見るたびに、「この人は、手すさびで童話も書いているのか」と思っていました。今は、事実に呆然としています。
    「雪のひとひら」を読んでみます。

    とにかく、評価に飢えていました。
    「科学描写が避けられているのか?」と思いもしましたが、『マッチしている』と言っていただけて嬉しいです。科学の子が、童話の女の子と仲良くなり、冷徹さにひびが入る話、ということを意識して書きました。
    しかし、この先科学描写とどう付き合っていくべきか? とも思っています。労多くして実り少ない描写ではないのか? とも。

    ハートは、つまるところマークですので、言葉で感想をいただけたことをとても嬉しく思っています。どうもありがとうございました。