第18話 お屋敷の人
翌日、俺は村の人に寂田神社について訪ねて回った。
宿は、近くの旅館を借りた。
高校生だというと、負けてくれた。
「えー、実くん、ここで泊まらないの?」
「さすがに、怖いです」
「やだ、私寂しい」
「駄々こねないで下さい。明日の昼には来ますから」
「朝じゃないの?」
「ええ、村の人たちに、この神社の歴史について訊いてきます」
「・・・うん・・・」
美子さんは、しぶしぶOKしてくれた。
朝食を終えた後、旅館の人に事情を説明した。
「それなら、あの方が詳しいですよ」
「ありがとうございます」
俺は渡された地図を頼りに、その人を訪ねた。
何でも、先祖代々、この地に住んでいるらしい。
かなりの、豪邸だった。
時代劇に出てきそうな、そんな感じだった。
玄関で掃除をしていた方に、声をかけ事情を説明する。
その方は、屋敷の中へ案内され、大きな居間に通され、待つように指示される。
しばらくすると、いかにも貫禄のあるご老人が来た。
「突然、おじゃまして申し訳ありません。
私、神矢実といいます。今日はお伺いしたことがありまして・・・」
「ええ、旅館の人から、伺っています。寂田神社について、訊きたことがあるとかで・・・」
「はい、よろしくお願いします」
俺は、頭を下げる。
「わかりました。私に知っていることがありましたら、何でもお教えします。
私は、御子太郎です。よろしくお願いします」
御子(みこ)?美子さんと同じ苗字だ。
でも、表札は違ったような・・・
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