第17話 お手入れはこまめに
ゴールデンウィーク
久しぶりに寂田神社を訪れた。
訪れたのはいいのだが・・・
「前より寂れてません?美子さん」
「みたいだね」
「みたいだね。じゃないですよ。巫女でしょ?ここの」
「だって、私出来ない」
もしかして、現状を楽しんでないか?この人・・・
「まあ、一か月もほったらかしだったら、寂びれますね」
「勉強になったでしょ?」
「次は、かなり先ですよ」
「どのくらい」
「2ヶ月半」
「寂びれちゃうね」
人ごとみたいだな。
「美子さん」
「なに?」
「貧乏神とか、とりついていません?」
「いないよ。いたら気付くもん」
「ですね・・・」
また、やり直しだ。
「美子さん、もう本堂取り壊しませんか?」
「やだ」
また、最初から掃除だ・・・
俺は、本堂を掃除し始めた。
美子さんは、見てるだけ。
でも、賽銭箱だけは、奇麗なのはなぜだ?
まあ、訊かないでおこう。
答えてくれないし・・・
敷地内に生えている雑草だけでも、取っておくか・・・
次に来るまでに、また生えると思うけど・・・
美子さんは、見てるだけ・・・
今のところ、本堂と、鳥居しかない。
賽銭箱は、本堂とセットなので、省く。
「昔は、どうだったんですか?」
「知らない。私は派遣されてきたから。その時は、寂びてた」
「ですか・・・」
訊いてみるか、村の人に・・・
それと、資金援助を頼んでみよう。
明日にでも、相談してみるか・・・
そして、詳しく訊こう。
何か、わかるかもしれない・・・
「美子さん、俺、がんばってみますね」
「うん。さすがイケメン」
「前、イケメンじゃないって言ったでしょ?それに、どうしてイケメンて言葉を知ってるんですか?」
「エヘヘ、内緒」
たく、この人は・・・
【実くん、ありがとう。本当に感謝してるよ。
私が生き返った時に、楽しみにしててね】
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