第12話 理不尽
地元を本拠地とする老舗のプロ野球チーム。
担任のN(名誉のために伏せ字)は、そこの球団の大ファンだ。
いや、ファンなんてレベルではない。
完全に、信仰している。
勝った翌日は機嫌がいいが、負けた翌日は機嫌が悪い。
しかも、それを生徒に報告する。
まあ、それだけならいいのだが、いちいち試合の経過を報告し。
その球団を応援しないと、怒鳴り散らす。
そして、応援する球団が違うだけで、差別をする。
「俺は、社会の厳しさを教えている」というが、
厳しさではなく、理不尽さだと思う。
(憂鬱だな・・・)
(何がなの?実くん)
(美子さん、聞いてたんですか?)
(うん、偶然ね。長引きそうなの?)
(ああ、長々と語るから、早くても昼は過ぎるな)
(よく、許してるね)
(そう思います?)
(思わない)
(正解です。あのNをどうにかしてほしい)
(OK,任せて)
美子さん、何をする気だ?
ドタドタドタ
「皆さん、大変です」
教頭の、G(伏せ字)が入ってきた。
「どうしました?」
誰かが言う。
「N先生が、N先生が・・・」
くたばったのか?
「ラビッツの北海道遠征に行くからと、休暇届けを出しました」
ちょっと待て。完全な職務放棄だ。
学校も許すな。
(美子さん、もう少し他の方法なかったんですか?)
(うん)
(うんって・・・)
(ところで実くん、プロ野球って、何?)
(職業野球と言えば、わかりますか?)
(ああ、なるほど)
で、代わりにの担任は、そのムーンラビッツのライバル球団である、
ジャガーズファンの、T(伏せ字)になるらしいが・・・
同じだな。、
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