第10話 期待感

「美子さん」

「何?」

「俺が学校へ行っている間は、どうするんですか?」

「そこらへん、散歩しておく」

「やばくないですか?」

「大丈夫、私は空を飛べるし・・・それに・・・」

「それに?」

「私の姿は、君にしか見えないようにしておいたから」

「出来るんですか」

「このくらいは、巫女にとっては、足し算みたいなもの」

ご都合主義か・・・


「じゃあ、俺は俺で、考えてみます」

「うん、お願い」

「人任せにしないで、巫女さんも手伝って下さいよ」

「面倒くさい」

「神様に怒られますよ」

「やります」

だんだん、扱いに慣れてきた。


ただ女は化けるので、わからんが・・・


次の日、俺はおもちゃ屋で、模型を買ってきた。

神社の模型だ。

完成式だが、自由の配列出来る。


「実くん、何それ?」

「神社の模型です」

「模型?」

「はい、寂田神社を立てなおしする時の配置を決めておこうと思いまして」

「でも、あの敷地じゃ、そんなに置けないよ」

「ええ、だからこのサイズなんです」

美子さんと話し合いをして、いりいろ決めた。


あの神社には、本殿と鳥居しかない。

社務所とか、手水舎も必要だ。

狛犬もいるな・・・


何だか、プラモデルを作ってるみたいで、わくわくしてきた。


明日から、学校が始まる。

「実くん、学校しっかりね。お姉ちゃんが応援している」

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