第8話 突然

帰宅した。

ちなみに実家暮らしで、両親と妹の4人家族。


じいちゃんは、田舎で1人暮らしをしている。


「実、お帰り、どうだった?」

「まあまあかな」

「今年1年、がんばりなさいよ」

「ああ」


それだけ言うと、俺は部屋には行った。

(ふう、疲れたな・・・別の意味で・・・)

俺は、ベットに倒れこんだ・・・


(実くん、家に着いたみたいね)

「その声は、美子さん?」

(しー、声に出さないで。心で思うだけで、届くから・・・)

「そう」

確かに、危ないな・・・


(実くん、いろいろありがとう。)

(美子さんは、ひとりで大丈夫ですか?)

(うん、私は霊だから、食べなくても平気だよ)

(そうじゃなくて・・・)

(私には、八百万の神様がついてるから・・・)

八百万だったのか・・・知らなかった・・・

細かい突っ込みは、止めておこう。


(実くんには、次来た時に、もっとがんばってもらうからね)

(わかりました)

(よろしい)

この人、やはり苦手です。


(ところで、美子さん)

(何?)

(報酬とかは、あるんでしょうね)

(「手伝いたい」というのは、君の願いでしょ?報酬はなし)

(ケチ)

(冗談よ、ちゃんと用意してあるから)

(何?)

(それは、お楽しみ)

霊だから、たいしたものではないだろう。


(それにしても、よく声が届きますね)

(えっ?)

(寂田神社と、ここは、かなり離れてます)

(大丈夫だよ)

(どうして?)

(窓を開けてごらん)

窓?

わからんが、開けてみた。


「はーい!元気」

「美子さん、どうして?」

「私、君の事、好きになっちゃった。だから追ってきた」

「追ってきたって・・・」

「勘違いしないでね。好きなったと言っても、愛してるという意味じゃないからね」

(霊に恋されても困る)


「こら、心に思うだけで、聞えるよ」

下手なこと思えないな。


「で、どうするんですか?」

「私、ここにはいれないから・・・そうだ」

「何ですか?」

「君の、おじいちゃんのところにいくわ」

「えっ」

「おじいちゃん、ひとりぐらしでしょ?」

「まあ・・・」

「寂しがってると思うから、行ってくる。またね」

「家、わかるの?」

「もち」

美子さんは、飛んでった。


美子さんは、おじいちゃんを知らない。

逃げ帰って来なければいいが・・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る