第7話 えらい人

数日後・・・

どうにか、本殿は奇麗になった。


といっても、何とか見れるようになった程度だが・・・

「巨大なジオラマだな・・・」

「まーくん、ジオラマって何?」

「知ってるんでしょ、美子さん」

「ううん、知らない?」

「本当に?」

「うん」

確かに知らないかもしれない・・・


「箱庭みたいなものですよ」

「なるほど!わかった」

わかってくれたようだ。


「美子さん」

「何?」

「俺?そろそろ学校なんですが?」

「中学だよね?大学には見えないし・・・」

「高校ですよ」

「こ・・こう・・こう?」

そっか、美子さんの生きていた時代には、ないか・・・

一応説明しておこう。


この人、胡散臭いけど・・・


「わかった。勉強は大事だもんね」

「なので、しばらく・・・」

「うん、行っといで。勉強しないと、私みたいにえらくなれないよ」

下級巫女が、えらいのか・・・

世も末だ・・・


「学校へ行くのやめようか・・・」

「どうして?私が大事?」

「いや、えらくなりたいからです」

「どういう意味?」

怒ってる。


「とにかく、行きなさい。お姉さんの言う事は聞きなさい」

「はーい」

俺は、学校へ帰るために、家に帰った。

GWにまた来よう。


「実くん」

「何ですか?」

「もし、私に連絡取りたくなったら、心の中で念じてみて、

答えるから」

「出来るんですか?」

「ここへ来る時、君に話しかけたでしょ?」

「あれ、やはり美子さんだったんですか?」

「うん」


この人、えらいかもしれない。

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