第7話 Hello二度目の初恋
カーンカーンカーンと踏切の音が聞こえる。グワァァと電車の走り抜ける音。
踏切が開く。その先には顔を真っ赤にさせて私を見つめる鷺沢君。
私は彼に近づく。動揺する鷺沢君。
「スッスミマセン!!先輩!!なっなんか急に変な事言っちゃって。その忘れてくださっ!!」
唇で彼の言葉を塞ぐ。舌を絡めて確かめるように深く潜るように。何かを探すようにキスをする。愛を探すように。
長い愛の確認作業。唇が離れると。林檎よりも赤くして方針する鷺沢君。
「ノッ野崎利センパ…」
「ブチョー」
「へっ……アッハイ!!」
「私ねーフラれちゃったの……一番好きだった人に」
「へっ…フラれ??」
「けどまだ好きで好きでしょうがないの。けどそれは絶対に叶わないの。辛いの。」
「………………」
鷺沢君の耳元に顔を近づける。
「忘れさせてよ……。そして始めさせてよ。本当の初恋を」
「〜〜〜〜!?!?!!!」
身悶える鷺沢君。彼の両肩を私は両手で押さえる。逃がさない今度のハツコイは。見つめる赤面の彼を。
吸血鬼のような魔性の美しい微笑みと初恋をして告白をして震える女子高生の瞳。そんな私は続ける。
「鷺沢君。私を生かすために私と生きていくために毎日無償で最愛の愛のキスを……私にしてよ」
吸血鬼のハーフ。キスをしなければ生きていけない。女子高生。野崎利百合菜。二度目の初恋は、私が振り回してやる。最愛を新しい最愛で塗り替えてやる……無償の愛の弾丸を撃って。撃ちまくって。撃ち抜いてやる。
カーンカーンカーンとまた踏切の音が鳴り始めた。祝福の鐘のように。
ラブボランティアラストヴァンパイア 長月 有樹 @fukulama
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