第10話

(じゃあ最後に挨拶する奴は・・・)


ゴゴゴゴゴ・・・。


(この謎のオーラを放っている奴かー!)


「あっ、あの、俺、浜谷 智春(はまや ともはる)って言うんだ。よろしく・・・」


ゴゴゴゴゴ・・・。


「おう! 俺、広畑 煮蔵(ひろはた にぞう)って言うんだ! よろしくなー!」


「えっ?」


思わず浜谷は硬直した。


あまりにもイメージと違う明るい声と屈託のない笑みを見たからだ。


「いやー! 俺さ、銀次郎が来る前まで、体験入部に来てるのが、俺と女の子二人だったから、超緊張しちゃってさ!」


「あっ、うん」


「銀次郎と君が来てくれて超安心したよ! ありがとな!」


「あっ、はい」


浜谷は思った。


こいつ超いいやつだ、と。


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少年の声(小説版) @yano89

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