第3話

「あなたは・・・?」


いきなり声がかかったため驚いた浜谷は声をかける人物に聞く。


「私の名前は田畑 類(たばた るい)。演劇部の部長をやっているんだ」


その田畑と言う人は金髪のショートカットで容姿が整っていた女性に不覚にも可愛らしい人だと浜谷は思ってしまった。


「演劇部・・・」


「君、ウチの演劇部に入らないかいかい? 君が必要なんだ」


「俺が必要? 何でですか?」


「君の低い声なら立派なナレーターになると思ったからさ」


「ナレーターですか・・・」


少し興味を表す浜谷。


「そう! ナレーターさ。一流のナレーター一因は声の良さだと思うんだよね。もちろんテクニックとか、話し方も必要だけどさ」


「でも俺なんかじゃ・・・」


「そんなのやってみないとわからないじゃないか? とにかく体験入部だけでもさ。部室においでよ。じゃあ待ってるよー」


そう言うと手を振りながら田畑は走ってどこかに行ってしまった。


「あっ、ちょっと・・・行っちゃった。俺なんかに出来るもんかねぇ」

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