25話目 幼なじみと本当の気持ち
「ね、いいでしょ。俺らと遊びにいこーよ。」
あー...困ったな...
つり革を握りガタゴトと揺られるわたしはケータイに目を落とし聞こえていないフリをしていた。
どこにでもいるんだな...こういう物好き...
金髪と茶髪の見るからにチャラチャラしたお兄ちゃん達が無視するわたしに尚も話しかけてくる。
「ねー、日曜のこんな時間に1人でいんだし。暇なんでしょー?」
全く、勝手に決めつけないでほしい。
わたしが「はぁ...」とため息をついた瞬間
停車の勢いで電車が大きく揺れ、わたしはバランスを崩してしまう。
「あ...」
「おっと」
グラつくわたしに男達は手を伸ばしいとも簡単にその体を立て直す。
お礼を言おうと顔を上げかけた時
「ほら、やっぱりその気なんじゃん」
と言う言葉を向けられ開きかけた口を閉じる。
なんで今のでそういう捉え方が出来るかな...
わたしは挨拶もないままその人から体を離し距離を取るように後方へと後ずさった...
が、グイッと腕を捕まれ強引に開いたドアの方へと連れていかれてしまう。
「ここいいゲーセン知ってるんだ!ほら、行こう行こう!」
「え、ちょ、やめー」
わたしが断ろうと制止の声を入れた瞬間。
パシッという音がして彼等の手が振り払われる。
ハッと顔を上げるとそこにはよく見知った人の顔があった。
「僕の妹に、なんか用?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます