14話目 幼なじみと休日デート?!
「それじゃあ、いってきまーす」
玄関で靴を履きながら寝ぼけまなこを擦る隆都に声をかける。
「ふわあ...めぐる本当に行くのお?せっかくのお休みなのに...」
「お休みだから行くんでしょー。もう。行ってくるね。」
わたしがそう口にすると隆都は再び大きなあくびをしながら「いってらっしゃあ〜い」となんとも気の抜けた返答をした。
「たく...よくやるよ。まだ9時前だっていうのに...ふわあぁ...ダメだ。もう一眠りしてこよ。」
閉ざされた扉を見つめ、隆都はそうつぶやくのだった。
「えっと...」
「あ、...はよ。早いな。」
「え、あ、うん...」
玄関を出てすぐ。
フェンスにまでたどり着くことなくわたしは石のように固まってただ彼を見つめていた。
なんで平井が...?
待ち合わせは駅に10時だったはず...
え、もしかして時間間違えた?
ぐるぐると考えを巡らせていると彼が困ったような顔で笑った。
「.....迎えに来るって、いったじゃん。」
「え、あ、あ...あぁ...そっか...」
聞き間違いじゃなかったんだ...
沈黙に鳥の囀る声が聞こえてくる。
あーいい朝。いい天気。
こんなにも空は晴れてるのに...なんなんだ、この空気は。
微妙な雰囲気に天を仰いでいると彼がおもむろに
「じゃあ...行くか?」
と口を開いた。
まだ時計が9時を指す少し前。
わたしは小さく頷くとフェンスをゆっくり押し開けた。
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