11話目 幼なじみと休日デート?!

「.....」


「.....そ、そういえば、球技大会、あの後どうなったの?」


帰り道。

沈黙を押し破るようにわたしが口を開く。


彼は「あ〜」と頭をかくと少し困ったように笑いながら


「山口とりょうの一騎打ち...最終的には俺らのクラスが勝てたんだけど。他の種目は勝てなかったみたいでさ。総合は6クラス中5位」


すごく中途半端な順位にわたしは「そうなんだ...」と返す。


再び訪れた沈黙


居心地の悪さにわたしが他に話題がないか考えていると今度は彼が口を開いた。


「...そういえば...」


「え?」


「あ、いや。お前の父さん再婚したのに、山口とは苗字違うんだなって思って。」


彼の素朴な疑問に今度はわたしが「あ〜...」と頭をかく。


「同居始めたのは中学の頃からだったんだけど...正式に再婚したのは最近で...高一の半ば頃だったから、卒業まではお互いこのままでってことにしてもらったの。」


わたしの言葉に彼は「あぁ、そうなんだ」とつぶやくと何かを考えるように自分のつま先の方を見つめ再び顔を上げた。


「まあ、よかったじゃん。家族が増えて。お前の父さんにもおめでとうって伝えといて。」


笑顔でそういう彼にわたしもつられて笑がこぼれる。


「あぁ、うん、...ありがとう。」


再び訪れた沈黙。


でも、この沈黙は、嫌じゃないかな。


わたしたちはそのまま家までの帰路を進めるのだった。

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