幼なじみと幼なじみ

「優等生は根暗な幼なじみの面倒も見るのー?」


彼女が走り去り、まだザワつきが収まらない教室であいつはそう声を掛けてきた。


「.....りょうには関係ないだろ。」


こいつは高橋涼。俺と彼女...空田巡(ソラタ メグル)の幼なじみで、この高校で保育園以来久しぶりに再会したのだ。


「おいおい、人気者が。幼なじみの女の子1人に振られて八つ当たりかー?全く、もう1人の幼なじみにも優しくして欲しいもんだぜ。」


「やれやれ」と言わんばかりに首を振るりょうを横目に俺は彼女が走り去って行った扉の方に目をやる。


「.......なんで、あいつには優しくできないのかな...」

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