第35話 勉強会?
怠くて仕方ない授業をすべて終えた放課後。本来自由であるその時間、
「あら
「ご指摘ありがとうございます、
「けーくんここ教えてっ!」
「
「あはは……」
なぜかうちに大所帯ができていた。
◇◇◇
切っ掛けは昼休み。俺は普段通り
普段なら俺と大和の話題はアニメかゲーム、漫画やラノベなのだが、今日は朝礼時に担任から告げられた〝明日の小テスト〟が話題となっていた。まぁ俺も大和も成績は良い方なので、「面倒だなぁ」程度の話だったが。
流れが変わり出したのは、昼休みも半ばに差し掛かってきた頃。なんの前触れもなく
そして俺たちの元へ来るや否、放課後に勉強会をしようと言い出した。
そんな戯れ言には付き合ってられないと返したのだが、タイミング悪く薫とそのフレンズもやって来てうちで勉強会をしたいとお願いしてきた。
俺が薫のお願いに敵うはずもなく、なし崩し的にうちでの勉強会が決定した。と流れはこんな感じだ。
メンバーは俺、薫、鳴美、九条院先輩、一之瀬さん、薫の友達二人(
ついでに大和の野郎は「メイト行ってくるぅ」とふざけた感じで逃げやがった。明日シメてやる。
日常からかけ離れた喧騒に回想していると、鳴美に両肩を掴まれ「教えてぇぇぇっ」とぐわんぐわん──待って揺れる、脳が揺れて気持ち悪いから止めて。
俺は無意識にチョップを繰り出し、それは見事鳴美の頭を捉えた。
鳴美は涙目になって俺が叩いたところを押さえる。
「けーくん酷いよぉ」
「酷いのはどっちだ。こっちは気持ち悪すぎて気絶するところだったわ」
「あぅ……ごめんね?」
いまだグルグルする頭を押さえていると、鳴美は申し訳なさそうにこちらを伺ってくる。
そんな心配するなら、もう二度とうちに来ないでほしい。
なんて脳が平常運転をし始めてしばらく。気持ち悪さも消え、俺は鳴美に勉強を教え始める。
俺たちの隣では九条院先輩が一之瀬さんに勉強を教え、小テーブルの方では薫がフレンズ二人を相手している。
そんなこんなで勉強会をすること一時間ほど。時計をチラリと見やると、もう五時をすぎており窓の外には茜色の景色が広がっている。
リビング内を見渡せば、まだ誰も勉強を止めようとしておらず、ずっと机に付きっきり。
俺はなにか、嫌な予感を覚えるのであった。
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