第14話 手癖

 私はイロカン(色管理。黒服((男性従業員。黒いスーツを着用している))が好きでもない嬢に疑似恋愛をしかけ、勤怠をマインドコントロールして店の収益に貢献させること)や風紀(単に黒服と嬢が恋仲になること。元来は罰金制)や枕営業はしないし、そこそこ売上はキープするし、酒癖も悪くないし、爆弾(主にヘルプ嬢がみずから売りこんで連絡先を交換するなどして、本指名嬢の客を奪って指名替えさせてしまう禁忌。単にキャバクラにおける禁忌)などの問題を起こしてクビになったこともないので、比較的ひとつの店に長く在籍してきた。

 それでも、年の功でいくつかの系列をまわった。

 その所々で出あった、手癖が悪い嬢たちの話をします……。

 

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