第314話


「えーっと。そちらの2人も私をご存知のようなんで自己紹介は省きます」


「あの・・・私たちは知らないのですが」


スゥの言葉に「ああ。そうだな」と答える。


「ベルくん。3人には『王都から来た』以上のことは話してないんじゃないか?」


「あれ?そうでしたか?

まあ。『王都から来た』だけでも十分じゃないですか?」


パッコーンと紙のハリセンがロンドベルの後頭部を直撃する。


〖 仲間になった以上、手加減はしません 〗


「でも、手を抜いたー」


〖 仲間に入った『お祝い』です 〗


「・・・初めて会った時は強烈だった」


〖 アレは暴走したからです。

もちろん、今後は手加減しませんのでご安心下さい 〗


「いえいえ。手加減大歓迎です」


「ムリだよ〜。

ハンドくんって『どんなに偉い立場の相手』でも一切手加減しないから」


〖 『手加減したら私ではない』とまで言われましたからねえ 〗


あれ?それって神さまたち?


『はい。そうですよ』


神さまは『何をしても死なない』から手加減しないんだよね。


『そうです。ちゃんと武器のハリセンではないので・・・武器のハリセンを使っても『死なない』ですね』


ダーメ!

武器を使ったら・・・グレるからね!


可愛いさくらのグレた姿を見てみたいと思いつつ、それを口にするとさくらが口をいてくれなくなると分かっているため、ハンドくんは『分かりました』と答えたのだった。




さくらとハンドくんが『内緒話』をしている間に、ロンドベルは自分が王都の神聖騎士団で、今は軍師だと話していた。

そして『神聖騎士団』や『軍師』の説明もして貰っていた。


「それでは、王都に戻ってからなんですが」


国王には「ヒナルクは少年だった」と報告した。

しかしそれで納得する国王ではなかった。


「獣人を3匹も従えているのは、何か技があるのだろう。

何を使って獣人を従えているのか調べろ。

そして道具を使っているなら殺してでも奪ってこい」


そう言って放り出されたらしい。


「あの野郎。

獣人を操って、使い捨ての兵隊にするつもりなんだよ」


〖 その国王クズを消滅してきましょうか。

いりませんよね。

生かしていても『かす価値なし』でしょう? 〗


「今はまだ止めて下さい。

跡継ぎがいないので混乱必至です。

それに隣の国が侵攻してきます」


「なに?お隣さんは『戦争したい病』なんか?」


「戦争より『引っ掻き回したい』ですね」


〖 どうやらタチの悪い『かまってちゃん』のようですね 〗


「・・・そのうち復讐しちゃるもんね」


さくらの言葉に全員が頷いた。

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