第279話
「ルーナ。気をつけて。右に『魔導具』があるよ」
「あ、ホントだ。
師匠。これは触って大丈夫ですか?」
〖 触ってみたければどうぞ。
すでにアジトを含めたこの周辺には結界が張ってあります 〗
「ルーナ。魔導具のことを知るために、先に詳しく調べよう」
スゥの言葉にルーナは頷いた。
ビーッビーッビーッ
「キャア!」
大音量で鳴っているのは、シーナの近くの地面に埋められた魔導具だった。
ハンドくんが魔導具に触れて音を止める。
〖 シーナ。注意力が足りません。
これは音だけでしたが、もし、爆発物が埋められていたらどうするのです? 〗
「はい。すみません」
「事前に埋まっているものを知る方法はありますか?」
「あるよ」
ルーナの質問にさくらが答える。
「『ある』。ヒントは教えたんだから、答えは自分たちで出しなさい」
「はい。分かりました。
ルーナ。シーナ。
ご主人は私たちに『知る方法はある』と教えてくれたんだから、まずは私たちでその方法を考えよう?」
「そうだね。ヨルクさんからも『まずは自分たちで考えるクセをつけろ』って言われたね」
「じゃあ、何の魔法が使える?」
3人は魔法をひとつずつあげて、その魔法はどんな効果があるか。
その魔法をどう使えば有効かを話し合っていく。
ハンドくん。あの子たち一気に変わったね。
『いい意味』で。
『セルヴァンの指導もそうですが、ヨルクが『一般常識』を教えました』
さっきの『自分たちで考えるクセをつけろ』もそうだね。
『はい。ヨルクたちにも、何かあれば『どうしたらいいか』と聞いていました。
自分で考えて答えを出そうとしないため、ヨルクが注意したようです。
ヨルクたちのマヌイトアは獣人族の中にありました。
そのため、獣人の性格と特性をよく知っているようです』
そうなんだ。
それにしても、だいぶ変わったね。
・・・ああ。違うか。
『本来の性格』に戻ったって感じか。
『そうですね。
さくらの従者として『守れるように頑張ろう』と強さを求めていたのでしょう』
その強さを手に入れたから、心に余裕が出来たんだね。
別荘島で過ごしたことは、彼女たちにとって『成長の一歩』になったようです。
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