第12話
さて気を取り直して。
私が使える魔法とはどれなんでしょう?
「すべてです」
はい?
なんと言いました?
「どんな魔法でも使えますよ」
あらビックリ。
チートですか?
「貴女の世界にある『超能力』は分かりますか?」
手を使わずに物を動かしたり壊したり、空を飛んだり、心を読んだり、テレポートしたり・・・?
「はい。それを『詠唱』を唱えることで使えるようになるのが、『魔法』だと思って下さい」
詠唱は『何をどうしたら』発動するか、という順序を唱えているらしい。
でも私は『具体的に思い浮かべる』だけで使えるそうだ。
それは元の世界で得た知識があるかららしい。
そして発動した魔法に『好きな名前』を付けることで、魔法の登録が出来るらしい。
その後は名前に魔力を込めれば発動出来るようだ。
じゃあ・・・
「アレ持ってきて」と指さしたら、透明な手首から先が『アレ』の上に現れて、まるで確認するように指をさした。
「そう。それ」と言ったら、ヒョイとつかんで持ってきてくれた。
それを見てアリスティアラが「アラ?」と髪を触りだした。
うん。さっきまでいた場所に落としてたんだよ。
『透明な手』から髪飾りを返されて「ありがとう」と手にお礼を言う女神様。
それと同時に、目の前に『名前をつけますか?』と表示が出たので『ハンドくん』と名付けた。
以前観たコメディ映画で、表情豊かな『ハンドくん』をみてから好きなキャラだったんだよね。
「ハンドくん。これからもよろしくね」と言ったら『グッドサイン』をしたあと手を振って消えた。
その後も指先の1cm上で火を灯したり、キャンプファイヤーみたいに大きな火を起こしたり。
そよ風を呼んだり、火と風の共演とで『渦を巻いた火柱』を何本も起こしたり(さすがに「やりすぎです」って怒られた)。
風を身にまとって空に浮かんだり、風で盾を作ったり。
飛ぶ練習のついでに隣の大きな無人島へ行き、そこで見つけた種から植物を芽吹かせたり、木々が密集し過ぎていたから風で伐採して陽の光が入るようにして、伐採した木材を使って二階建ての大きなログハウスを建てたり。
色々と島の改造をしながら使える魔法を増やしていたら、この島から『所有権』が贈られた。
メニュー画面に『島の所有者になりますか?』と表示された。
アリスティアラに聞いたら、島が私を所有者として認めたそうだ。
島の所有者になれば『瞬間移動』で来ることが可能なんだそうだ。
そして『防火扉の向こう』と違い、この世界の人たちを連れてくることも出来るらしい。
「この島、本当にもらってもいいの?」
「良いですよ。島に限らず、『所有者』がいる土地は豊かになり、土壌も改善されますから。所有権を贈られたら遠慮なく受け取って下さい」
この島は入江や砂浜もあるし、丘や花畑もあるから『別荘』に良いかも。
「この島は『島の意思』で全体に結界が張られているため、入江に『魔獣』が入り込むこともないですよ。個人所有の島なら、不在時に他者が入ることも出来ません」
おお!防犯もバッチリ!
という訳で、この世界に移住する前に無人島ゲットだぜ!
アリスティアラと相談して、エルハイゼン国へ向かうのは3日後になった。
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