第11話






アリスティアラの話だと、「1日の流れが同じだった『元の世界』から『聖なる乙女』を連れてきてる」そうだ。

それは他の異世界でも同様だそうだ。

唯一『次元の穴』に落ちた場合は違うらしい。

『昼夜逆転』の世界だったり、『人間が家畜』だったりするらしい。

穴に落ちた人を助けにいく神もいれば、「これも運命」として助けない神もいるらしい。

元の世界の神様は「迎えた人を大切にもてなす」事を条件で送り出しているらしい。

私のことも『仕方なく』送り出したため、私のワガママな『おねがい』もすんなり聞き届けてくれたらしい。


もちろんアリスティアラを含めた『この世界の神様たち』も私に悪いと思っているのは分かってる。

初日以降に熱を出して寝込んでいた私に、何人もの『人ではない気配を持つ人の姿をしたダレカ』が入れ替わり立ち替わりついていてくれたのを知っている。

アリスティアラに聞いたら口ごもってたから聞かないことにした。

そして私の代わりにお礼を伝えてもらった。

全員神様かと思ったら「精霊や精霊王も来ていた」らしい。

神様には直接会えなくても、精霊さんたちとはいつかお会いして直接お礼が言えたらいいな。

とメモ帳に『やりたいこと』フォルダーを作って書き込んでおいた。




「ねえねえ。『ユニット』にある『ステータス』は分かるんだけど『服装』や『外見』ってなに?」


『ステータス』はさっき弄っていたから『公開ステータス』を見たり変更出来るのと、公開ステータスが何種類も作れるから、いくつも作って切り替えが出来るのは分かった。


『服装』はセットしてる衣装を『一瞬で衣装チェンジ』出来るそうだ。

RPGでよくありますねぇ。

『銀仮面セット』とか『なりきりセット』とか。

あれみたいに、選択したら『セット衣装』を装着出来るって便利ですねぇ。


『外見』は?と聞いたら「見た目を変えることが出来る」そうだ。

つまり『完璧な日本人』の私が『金髪碧眼の美少女』になることが出来る?

そう聞いたら「男性にもなれますよ」だって。


私は「異世界に慣れたら観光巡りをしたい」と言っているからね。

『女の一人旅』は色々と危ないらしいから、見た目を変えれば少しは『楽しい旅』が出来るだろう。

こちらも一瞬で変えることができるのだから、衣装チェンジとあわせて使えば問題はないだろう。

と思ってたら、私がレベルを一気に上げちゃったもんだから特に必要ないかも。

そう言われたけど、たぶん『男だから』とか『女のクセに』とかあるだろうから観光旅行の時は役に立つんじゃないかな?




さあ、女神様復活で魔法の講義です。


「期待されても困ります」


イエイエ。

『魔法の存在しない世界』で生きてきた私には、『魔法が使える』なんて未知の世界です。

小説やマンガの知識ですが、四元素と言われる『火』『水』『地』『風』に『光』『闇』の魔法があるとのことですが?


「そうですね。この世界の人たちは四元素のうち1つと『生活魔法』が使えます」


他に『空間魔法』と言われる魔法があり、アイテムボックスを覚えたり、別の場所へ瞬間移動出来たりするらしい。

そして生活魔法とは基本的に家事で必要な魔法だけど、中級魔法になると旅で入浴出来ないときに身体や衣服の汚れを落として綺麗にしたり、濡れた衣服や髪を瞬時で乾かしたり出来るそうだ。

ただし『詠唱』付き。

だから街中の辻とか公園周辺にいて『生活魔法を有料でかける』仕事もあるらしい。


「それって酒場とかでやるとよくない?」と聞いたら下手な術士だと『酔いも醒ます』そうだ。

泥酔で周囲に迷惑かけるよりマシだと思うんだけど。

じゃあ『花街かがい』とかの『色街いろまち』でこうの匂いを付けたまま帰って、奥さんが『鬼化』するのを防いだり出来るんじゃない?

そう言ったら一夫多妻制なんだそうだ。

そのため、そんな事を気にするのは新婚家庭と恐妻家だけらしい。


リア充爆発しろ。


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